銀座駅コンコース内の「山下書店」、42年の歴史に幕-東京メトロの要請で

丸ノ内線銀座駅コンコース内の山下書店銀座店が閉店。隣接する「はなまる寿司 西銀座店」とカレー店「からなべ屋 西銀座店」も同時に閉店した

丸ノ内線銀座駅コンコース内の山下書店銀座店が閉店。隣接する「はなまる寿司 西銀座店」とカレー店「からなべ屋 西銀座店」も同時に閉店した

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 1968(昭和43)年から丸ノ内線銀座駅コンコースで営業してきた「山下書店 銀座店」(中央区銀座4)が3月31日で閉店した。

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 韓国で2003年に発生した地下鉄火災事故以後、日本でも地下鉄などの商業施設での店舗営業を含めた消防法が改正されたことにより、同駅構内の排煙設備が消防法令に触れたことが直接の閉店理由。東京メトロ側からの要請を受け、一度営業を終了し設備を改善することから隣接する回転ずし「はなまる寿司 西銀座店」とカレー店「からなべ屋 西銀座店」も同時に閉店となった。

 山下書店(千代田区)本部・石川敦さんは「赤字など営業上の理由での閉店ではない。こういった理由であれば、東京メトロさんにお任せし従うほかなかった」と振り返る。ツイッターやブログでは「駅を降りた瞬間から漂うカレーの香りが懐かしい」「一番利用していた本屋が閉店して残念」など閉店を惜しむ書き込みが見られる。

 売り場面積28坪の「山下書店 銀座店」は立地要因から路面店より通路面への直接展開が可能だったため、実際の坪数より商品展開が充実。オープン当初はビジネス書が中心だったが、街の変化とともに女性客が増加し、ここ10~15年ほどは女性客が中心となった店構えに変化していたという。

 「人気だった」ジャンルは女性雑誌やコミック、女性向けの実用読み物など。「ブランドムック」といわれるブランド物の付録がついた雑誌の売れ行きが好調だったほか、男性客を中心に時代小説の文庫などが「非常に売れていた」。30歳前後の女性や40~50歳代の男性がメーンターゲットで年間売り上げは3億円前後だったという。

 現在、銀座店を営業していた場所での再開交渉も進めてはいるが、「いったん白紙に戻し新規店の開発を進めている」といい、日比谷線東銀座近くの東劇ビル(築地4)1階に今月26日、山下書店東銀座店(同、TEL 03-6228-4325)をオープンする事も明らかにした。

 東銀座店は晴海通りに面した立地で、周辺に書店がないことから近隣企業の広告やメディア関係者などの利用も見込んでいる。店舗面積は35坪。営業時間は8時~22時(土曜・日曜は20時まで)。

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