銀座・松屋通りに3月3日、くずし割烹(かっぽう)の新店「銀座 半くり」(中央区銀座4、TEL 03-6226-5005)がオープンした。
くずし割烹は、割烹料理の固定観念、形式から脱却(=くずし)した料理スタイルを指し、「日常使いできる、日本料理の店」を目指して京都の有名店「枝魯枝魯(ぎろぎろ)」(1号店はパリへ移転)が確立した。
店主の笠嶋伸一郎さんは1973(昭和48)年、京都生まれ。高校在学中から日本料理の道に入り、祇園の和食店で料理長を務めた後、2002年から枝魯枝魯の立ち上げに携わった。2006年には福岡でくずし割烹店「いとちひさき」の料理長として活躍し、同店オープンを期に独立した。
半人前を意味する「半くり」と冠した同店は、昭和通りと松屋通りが交差する角のビル地下1階に位置する。以前も日本料理店だったという14坪の空間に、カウンター6席を含めて19席を用意。内装は木材を基調に、明るめの照明で「清潔感」漂う雰囲気に仕上げた。
料理はコース(7,350円)で提供。お膳スタイルで順に10種以上の品目を提供し、おわん、口直し、ご飯、デザートを添える。メニュー内容は1カ月サイクルで変更。品目考案の秘訣(ひけつ)については、「甘酸っぱい、あま苦いなど、複合的な味を表現する言葉をもとにして、食感や香りを意識しながら今までにない食材を組み合わせていく」と笠嶋さん。
そうして生まれたメニューは、サツマイモの甘露煮をペースト状にしてフォアグラを添え、フキノトウを混ぜたみそで田楽風に仕上げた料理や、タケノコとホタルイカ蒸しのチーズあんかけ料理など、和食調味料をベースに旬の野菜や魚を織り込んだ斬新な食材の組み合わせが特徴。
今後について、笠嶋さんは「くずし割烹を自分のスタイルの中に取り込んで、お客さんと会話しながらゆっくりと楽しんでもらえる店作りを心がけたい」と意気込む。
営業時間は17時30分~翌2時。月曜定休。