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銀座で阪神淡路大震災の写真展-傾いた電柱など「日常に潜む爪痕」を記録

「基点 1995」(西宮市で撮影、©秋修一)

「基点 1995」(西宮市で撮影、©秋修一)

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 銀座ニコンサロン(中央区銀座7、TEL 03-5537-1469)で7月6日、阪神淡路大震災を受けた兵庫の様子を記録した写真家・秋修一さんの写真展「基点 1995」が始まった。

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 秋さんは1956(昭和31)年、徳島県生まれ。18歳で兵庫県に移住し、20歳のころからアシスタントとして写真の勉強をスタートさせた。建築関係の本業の傍ら写真活動を続け、主に都会や故郷などの風景を撮影。1995年に兵庫県で阪神淡路大震災を体験している。

 当時は1週間の避難所生活を経て、「西宮市から神戸市須磨区までの間を何度も歩いて往復し、写真を撮った」と秋さん。それまで日常的に撮影してきた都市が地震をきっかけに変化したことから「見ておかなくては」という思いに駆られたという。

 会場では、路面に敷き詰めたブロックが飛び出している公園や、土台が崩れた墓石、電信柱が傾いた路地裏など、「何気ない生活に入り込んでいる地震の爪痕」を捉えたモノクロ写真44点が並ぶ。地震発生から2008年までに撮りためた写真で、昨年末に秋さんの両親が亡くなり、神戸の自宅をつぶすことが決まったことを区切りとして、同シリーズをまとめることを決めた。

 ニコンサロンでの展示が決まったのは今年2月。展示のテーマは「日本列島では地震はいつどこで起きても不思議ではない」で、その後発生した東日本大震災を受けて「やはり日本は地震大国だと実感した」と秋さん。「今回の震災は津波や原発なども連動していて、阪神淡路大震災とは違うもの」としながら、「地震は平穏な日常に突然襲ってくる。写真が地震への心構えのきっかけになれば」と話す。 

 開催時間は10時30分~18時30分(最終日は15時まで)。入場無料。今月19日まで。

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