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銀座に「出世街道ギャラリー」-創業102年の老舗版画店が開く

出世街道沿いに構える「出世街道ギャラリー 銀座わたなべ」

出世街道沿いに構える「出世街道ギャラリー 銀座わたなべ」

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 創業102年を数える老舗画廊「渡邊木版美術画舗」(中央区銀座8、TEL 03-3571-4684)が9月20日、倉庫に利用してきた隣接スペースを「出世街道ギャラリー 銀座わたなべ」としてオープンした。

「染谷ひさお展」を開催中の「出世街道ギャラリー 銀座わたなべ」

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 渡邉木版美術画舗は1909(明治39)年に京橋で創業し、浮世絵専門の画商としてオリジナル浮世絵と浮世絵復刻版を国内外に販売。その後浮世絵の製作技術を取得し、大正中ごろから浮世絵の復興と近代化を目指して新時代の浮世絵を次々と発表。一連の活動は後に「新版画運動」と呼ばれ、特に海外で高く評価された。

 関東大震災を経た1925(大正14)年に現在の銀座8丁目へ移転し、第二次世界大戦後は現代創作版画作品も取り扱うように。現在は浮世絵から現代版画まで幅広い木版画を取りそろえる。

 今回、これまで倉庫として利用してきた隣接施設1階をギャラリーにした。画舗とギャラリーの間の小路が通称「出世街道」と呼ばれることにちなんで、ギャラリー名は「美術を目指す人々が、ここから出世してもらえれば」(代表の渡邊章一郎さん)との思いで命名した。

 施設面積は約4坪で、天井高2メートル、奥行き5メートル、幅1メートル40センチの細長いスペース。白壁のシンプルな内装で、版画、写真、絵画、陶芸など幅広い作品に向けた貸しギャラリーとして営業する。画舗で扱う作家を中心にした展示も行っていくという。

 入り口隣のシャッターは、木版画家の染谷ひさおさんが楽器を手にした人々をペイントした。歌舞伎座、並木通り、銀座4丁目などの銀座の街並みを捉えた版画作品などで知られる染谷さん。ギャラリーではこけら落としとして、「2年ほど前から始めた」(染谷さん)というアクリル画を中心に、版画作品も含めて25点を展示している。「-夢の共和国- 染谷ひさお展」は今月26日まで。

 ギャラリーの貸し料金は12万6,000円(月曜~土曜、11時~20時オープンの場合。年内は10万5,000円に割り引く)。

 ギャラリー開設に当たり、渡邊さんは「出世街道は小路だが、昼も夜も人通りが多く、のぞいていく人もいる。『いずれは銀座で個展をやってみたい』と思っているような若い作家さんも、一度足を運んでもらえれば」と話す。

 営業時間は11時~20時。日曜定休。

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