銀座・画廊内の小屋で映像を使ったインスタレーション

「フタバ画廊」入り口の様子

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 現代美術を紹介する銀座の画廊、フタバ画廊(中央区銀座1、TEL 03-3561-2205)は11月13日より、インスタレーション「江口智哉 & 井関北斗」を開催している。

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 同インスタレーションは、ギャラリースペースの中にぎりぎりの大きさで小屋を建て、その中で2作の映像作品を同時に上映するもので、江口さんと井関さんともに日本初の個展となる。

上映作品は「男/女」をテーマに、小津安二郎監督のサイレント映画で脚本のみ残っている「肉体美」を元に制作、性別のある9役すべてを江口さんが演じた「肉体美」(25分17秒)、「社会の中の存在と不在」をテーマに、長さ2メートル50センチの石工用平面基準器をパリから南仏のニームへ運ぶ様子を捉えた「‘La Regle de...'(…の規則)」(36分26秒)。井関さんが監督を務める両作品はニーム・ビエンナーレでも上映され、ニームではモダンダンサーから4カ月にわたり女性の動きを習い、ヘア・メイクアーティストから女性に見せるメークを学んだ江口さんが、映像が流れる小屋の中で女性に扮し踊りを踊るというインスタレーションだった。

 今回はスクリーンにニーチェの「善悪の彼岸」「道徳の系譜」からの抜粋を「見えるか見えないくらいの濃さで」スクリーンに張り付け「画面と空間と小屋に、もう1つの空間ができることを狙い、複雑につながりを持たせた」(江口さん)という。小屋の大きさも「いかに自分たちの世界に入って来てもらえるかということと、小屋の存在感を強くし威圧感を出すためによく考えた。入るのに1つの方法しかなく、逆に世界に入って来てもらえると思った点と、ここ最近のテーマである規則、決まり、慣習などを小屋の大きさや辿り着く道程で表現できないかと思った」(江口さん)という。

 東京藝術大学で油絵を学び、卒業後渡仏、フランスを中心に発表を行っている江口さんは演技未経験で「当初は役者を雇って演技をしてもらうと考えていたが、なかなか見つからず、ちょうど女性になる訓練をしていた自分が演技をすることになった」という。今回の作品について「まったく演技の経験がなかったが、井関くんの指示通りに動いた。しっかり計画を立て構図など考えてから撮ったので、見応えのある作品になったのでは」と話している。

 開催時間は11時~19時。最終日は16時30分まで。11月18日まで。開催中無休。入場無料。

フタバ画廊

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