見る・遊ぶ

銀座・地下商店街の映画館「シネパトス」、45年の歴史に幕

役目を終えた劇場の前であいさつする鈴木伸英支配人(右)、樋口尚文監督(左)と出演者

役目を終えた劇場の前であいさつする鈴木伸英支配人(右)、樋口尚文監督(左)と出演者

  • 0

  •  

 銀座の名画座「銀座シネパトス」(中央区銀座4、TEL 03-3561-4660)が3月31日、同館を舞台にしたラストロードショー作品「インターミッション」の最後の上映を終え、45年の歴史に幕を下ろした。

ビニール傘の花で装飾されたシネパトス2

[広告]

 同館は銀座三原橋地下街に1967(昭和42)年「銀座地球座」、翌年「銀座名画座」として開館し、主に成人映画を上映。1988(昭和63)年に現在の「銀座シネパトス1・2・3」と名称を変え、一般映画を上映する現在のスタイルになった。昭和の名作、R指定映画、アメリカのB級映画などを幅広く扱う独自のラインアップで愛され、これまで上映した作品は3000本以上に上る。

 昨年7月、出店する三原橋地下街の取り壊しを受けて今年3月で閉館することを発表すると、映画評論家の樋口尚文さんがメガホンを取り、映画スタッフ、俳優らがボランティアで集まって同館を舞台にした映画「インターミッション」の製作をスタート。秋吉久美子さん、染谷将太さん、香川京子さんなどがキャストに名を連ねたブラックコメディーに仕上がった同作は、同館の「ラストロードショー作品」として今年2月に封切られた。

 閉館日を迎えた同日、最後の上映前には出演者の佐伯日菜子さん、大島葉子さん、森下くるみさんが集まって入場券の「もぎり」を行った。その後、アーティストのミレイヒロキさんがいち早く上映を終えた劇場シネパトス2を装飾。ビニール傘を花に見立て、キャストがそろって「献花」を行うパフォーマンスも披露された。

 立ち見客も出た最後の上映終了後には、キャスト、スタッフが舞台あいさつを行った。鈴木伸英支配人は、13年前に同館に赴任して以来「どうすれば、お客さんがこの地下の映画館に下りてきてもらえるか、いつも考えきた」とコメント。「上映中に地下鉄が通る音がしたり、雨漏りがしたりという環境。それが最終日の今日、これだけたくさんのお客さんに来てもらえて…」と声を詰まらせると、客席からは拍手とともに「ありがとう」「頑張れ」などの歓声が上がった。

 23時、名残を惜しむ劇場ファンが三原橋地下街にあふれる中、樋口監督、鈴木支配人、キャスト、スタッフらが劇場入り口に立ち並んだ。「この映画を通した出会いに感謝している。劇場は無くなるが、この映画館が伝えてきた映画への思いはこれからもずっと残り続けるはず」と樋口監督。一堂が見守る中シャッターが下りると、同館は45年の役目を終えた。

 銀座の映画館では今後、ホテル西洋銀座などが営業する「銀座テアトルビル」の売却に伴い、東京テアトル直営「銀座テアトルシネマ」が5月末に閉館することも発表されている。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース