東京国立近代美術館フィルムセンター(中央区京橋3 TEL 03-3561-0823)で4月16日、企画展「映画より映画的!日本映画 スチル写真の美学」が始まった。
映画の宣伝用に撮影された静止写真「スチル写真」に焦点を当て、日本映画の最盛期に活躍したスチル写真の撮影者=スチルマンの仕事を紹介する。
1951(昭和26)年から16年間「キネマ旬報」誌上で行われた「日本映画スチル・コンテスト」の受賞作や「生きる」「東京物語」「浮雲」「青春残酷物語」「セーラー服と機関銃」などの映画作品の象徴となった名作スチル、森山大道さん、荒木経惟さんなどの著名な写真家が手掛けたスチル、すでにフィルムが失われている戦前の喜劇作品のスチルのほか、編集者・写真家の都築響一さんのコレクションによるロビーカード(劇場掲示用の印刷スチル)なども展示する。
4月27日には元日活撮影所スチルマンの井本俊康さん、6月22日には元東映東京撮影所スチルマンの遠藤努(功成)さんがスチル撮影の現場について語るギャラリー・トークも予定。
同館スタッフの岡田秀則さんは「スチルマンの仕事は、時間芸術である映画のエッセンスから人々の想像力をかきたてる瞬間を静止画ですくい取る勘の良さとプロフェッショナリズムを求められる仕事だが、世間的には認知度が低く、スチルマンは縁の下の力持ちといった印象がある。この展覧会をきっかけにスチルマンたちの仕事やその功績を皆さまにお伝えできれば」と話す。
開催時間は11時~18時30分。月曜と、5月27日~6月4日、7月1日~7月8日は休室。観覧料は、一般200円、大学生・シニア70円。8月7日まで。