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銀座泰明小学校で柳染め課外授業-呉服店主発案で17回目

柳の枝を切り分ける泰明小学校の児童と泉二弘明さん-「銀座の柳染め課外授業」の風景

柳の枝を切り分ける泰明小学校の児童と泉二弘明さん-「銀座の柳染め課外授業」の風景

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 中央区立泰明(たいめい)小学校(中央区銀座5)で6月11日、5年生を対象とした「銀座の柳染め課外授業」の最終工程、「柳染め実習」が行われた。

柳染めを施したハンカチ-泰明小学校「銀座の柳染め課外授業」で

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 「銀座の柳染め」は呉服店「銀座もとじ」(銀座4)社長の泉二弘明(もとじこうめい)さんが約18年前、当時構えていた店の前にあった柳の若葉が毎年初夏に剪定(せんてい)されていくのを見て、「この柳を使って地域に密着した何かができないか」と考え草木染を試みたのが始まり。

 次の年には息子の啓太さんが泰明小学校の卒業生だったことが縁で、同校で銀座の柳を使った「柳染め」の体験学習を始めた。体験学習は毎年恒例となり、今年で17回目となる。

 体験学習は4つの工程に分けて行われ、初日の5月20日には五月晴れの中、児童が脚立に登り、同校正門前にある「二世柳」と校庭にある「三世柳」から柳の木を剪定。その後、寸胴(ずんどう)で煮出す作業に適した10センチほどの長さに柳の枝を切り分けた。

 同30日には、今は成人した啓太さんによる「銀座の柳の歴史・染め方の授業」が行われ、6月上旬には泉二さんが児童1人につき2枚ずつプレゼントしたハンカチにビー玉・輪ゴム・糸・などを使って染の模様をつける下準備を行った。

 体験授業最終日の6月11日はあいにくの雨模様のため、通常は校庭で行われる「柳染め実習」を屋内で行うことに。たらいに煮出した柳の染液を入れ、奄美大島から取り寄せた大島紬(つむぎ)用の泥染めの泥や、その他の媒染液を使ってハンカチを染める作業が始まると、体験授業を受ける児童からは歓声が上がった。

 「自分で作った世界で2枚しかない柳染めのハンカチは、1枚は自分に、1枚は一番大切な人にプレゼントしてほしい。この授業をきっかけに、少しでも伝統工芸への理解を深めてもらえれば」と泉二さん。

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