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築地市場を記録する映画製作プロジェクト-クラウドファンディング活用

ドキュメンタリー映画「Tsukiji Wonderland(仮題)」の企画を立ち上げた手島麻依子さんと奥田一葉さん

ドキュメンタリー映画「Tsukiji Wonderland(仮題)」の企画を立ち上げた手島麻依子さんと奥田一葉さん

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 築地市場(中央区築地5)内部を撮影し、2016年の国内公開を目指すドキュメンタリー映画「Tsukiji Wonderland(仮題)」の製作が進んでいる。

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 同作品の製作・配給は松竹(中央区築地4)。同社は現在、その制作費の一部を賄うため、クラウドファンディングサービス「READYFOR?」で700万円を目標に支援金を募っている。

 築地市場は、1935(昭和10)年に日本橋から移転して開設された卸売市場。その規模は世界最大ともいわれ、市場内には「マグロ」「すしネタ」「川魚」など細分化された約700の仲卸が集まり、水産物約480種類を取り扱う。ここ数年は国内だけでなく世界各国から観光客を集める観光スポットにもなっている。

 同作品の企画を立ち上げたのは、松竹の手島麻依子さんとその友人の奥田一葉さん。かねて「食」に強い思い入れがあった2人は、勤務先から距離が近いこともあって約3年前から出勤前に築地市場に足を運ぶうちに、「日本の豊かな『魚食文化』は、水産物のプロフェッショナルである仲卸をはじめとした同市場で働く人々の真摯(しんし)な姿勢・情熱に支えられている」と感じるようになったという。

 2016年に予定されている市場の豊洲への移転を前に「ここで働く人々の姿と引き継がれてきた伝統を、映画を通して世界に伝えたい」と、映画製作プロジェクトを立ち上げた。

 2014年5月にスタートした撮影は築地市場の仲卸の組合である東京魚市場卸共同組合の協力の下、築地市場の姿を2015年3月まで約1年間にわたって押さえていく。海外での配給先も探し、カンヌやベルリンなどの映画祭にもエントリーする予定。

 手島さんは「世界に通用するドキュメンタリー映画にするためにも、プロの撮影スタッフが映像のクオリティーにもこだわった撮影を実施する。撮影日数が長くなるとスタッフの拘束時間も長くなり制作費に跳ね返ってくるが、その分、映画の内容も映像のクオリティーもアップする。1年間にわたる撮影をより濃厚なものにするための資金の一部として、クラウドファンディングで集まった資金を利用する」と話す。

 「築地市場は日本の食文化を支えてきた。銀座が一流の料理店が集まる食文化の中心地に発展した裏には、築地市場の存在がなくてはならなかったという。築地の文化を記録し発信する映画づくりに共感していただける方と一緒になってプロジェクトを進めることで、大きな発信力にしていくことも、クラウドファンディングを実施した狙い」

 支援者には、劇場鑑賞券、映画エンドロールへの名前記載、「十二世市川團十郎丈が魚河岸とゆかりの深い歌舞伎の演目『助六』を演じた際の隈(くま)取りをデザイン」したオリジナル手拭い、歌舞伎鑑賞チケット、完成披露試写会への招待などの特典を支援額に応じて用意する。

 支援応募期間は9月1日の23時まで。支援方法などはREADYFOR?のサイトで確認できる。 

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