銀座教文館でエドワード・アーディゾーニ展 入手可能な邦訳作品全点の販売も

「チムとゆうかんなせんちょうさん」
©Ardizzone Estate.  Licence granted by the Ardizzone Estate

「チムとゆうかんなせんちょうさん」 ©Ardizzone Estate. Licence granted by the Ardizzone Estate

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 教文館(中央区銀座4)9階のウェンライトホールで5月23日、「『チムとゆうかんなせんちょうさんの』エドワード・アーディゾーニ展-英国イラストレーションの伝統-」が始まった。

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 アーディゾーニさんは1900(明治33)年、ベトナム生まれ。代表作「チムとゆうかんなせんちょうさん」などの絵本の著作で知られるほか、挿絵画家としても高い評価を得ている。

 同展は教文館創業130周年記念事業の一環。出版社「こぐま社」(文京区)の創業者でアーディゾーニさんの本の「世界一のコレクター」でもある佐藤英和さんが一般初公開となる個人コレクションを中心に、初版本、ペン画、リトグラフのほか、ポスター、カード、レストランのメニューなど約170点を展示する。

 同館6階では、現在入手可能なアーディゾーニさんの邦訳作品全点のほか、トートバッグ、絵はがき、額絵、クリアファイル、ラッピングペーパー、ハンカチ、ブックカバー、ペーパーウェイトなどの関連グッズも販売する。

 会場のアンケートには「子どもの頃に親しんだ『チムとゆうかんなせんちょうさん』や『ムギと王さま』のことを思い出し、懐かしさでいっぱいになった」、「子どもの本を好きな人には鉄板の絵本なのに、本屋でなかなか見掛けなくなったのは非常に残念。アーディゾーニを取り上げてくれてありがとう」などの声が寄せられているという。

 教文館ナルニア国同展担当の八巻聡子さんは「展覧会タイトルにもある通り、アーディゾーニは小口木版から始まったイギリスの線描の伝統に磨きをかけたイラストレーター。物語の本質をしっかりととらえ、膨らませた挿絵はコラボレーションした作家から厚く信頼され、愛された」と話す。

 「現在の日本の書店では、子どもが喜ぶのは明るい色あいの絵本だと言わんばかりに色のあふれた書棚が並び、アーディゾーニが描くスタンダードな作品は埋もれてしまいがち。おとなが読んでやりさえすれば子どもが夢中になるアーディゾーニの絵本、また、詩や物語を目に見える世界に描ききった挿絵の世界を一人でも多くの方にご覧いただければ」と呼び掛ける。

 開館時間は11時~19時(最終日は17時まで)。5月・6月は月曜休館、7月無休。入場料は大人=800円ほか。7月13日まで。

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