メゾンエルメス(中央区銀座5)8階「フォーラム」で現在、「『リビングルームII』ミシェル・ブラジー展」が開催されている。
ミシェル・ブラジーさんは1966年、モナコ生まれのフランス人アーティスト。これまでフランスの美術館での個展をはじめ、各国で数多くの展覧会に参加。日本では今回が初の個展となる。
1990年代から、キッチンの日用品や植物、野菜、果物、微生物、昆虫などを使い、発芽・育成・腐敗などの現象を通して「時間とともに移り変わる生成の過程そのものを見せる」作品を制作してきたというブラジーさん。
同展では、巨大なカーペットにカタツムリの這(は)った跡が残る「かたつむりを放つ」、ゲーム機にさまざまな植物が自生するように生える「ジョアキムとサミュエルのゲーム機」、ネズミがかじった痕跡が残るチョコレートムースデザートを使った作品「バルバカン」のほか、縦半分にカットされたグラスのワインを壁が徐々に「飲む」インスタレーション「ワインを飲む壁」など9シリーズ、計33点の作品が並ぶ。
ブラジーさんは「私が作品の素材とするのは、初めからアートの素材として購入したものではなく、消費期限の過ぎた食品、子どもが使わなくなったゲーム機、履き古したスニーカー、妻が使っていたコーヒーマシンなど、どこのリビングルームにもある、役目を終え機能を失った『モノ』たち。私たちの日常を取り巻く『モノ』と『自然』とが接触し関係する時、予想もつかない結果が生まれる」と話す。
開廊時間は11時~20時(日曜は19時まで)。入場無料。11月27日まで。