今秋から2店舗体制に-銀ママ、「不況下こそ追い風」と信じ奮闘続く

3階はカウンターとテーブルが残る居ぬき物件に入居。緑のいすが印象的な店内は5階に比べゆとりあるスペースに

3階はカウンターとテーブルが残る居ぬき物件に入居。緑のいすが印象的な店内は5階に比べゆとりあるスペースに

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 銀座の雇われママから独立し2006年11月に「Social Salon (ソシアルサロン)銀ママ」(中央区銀座8)を、今年9月3日には同ビル3階に2店目「Lounge(ラウンジ)銀ママ」(銀座8、TEL 03-3573-0189)をオープンした「銀ママ」。新店オープン直後に金融業界へ激震が走るなど滑り出しは決して好調とは言えないが、景気が顕著にあぶり出される銀座の夜の街で不景気こそ「追い風」と信じ日々奮闘する。

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 1店目オープン当初に2店目オープンも視野に入れると語っていた銀ママの夢は早くも実現した。5階で運営するサロンは「箱が小さく、団体のお客さまにお断りすることがあり申し訳なかった」こと、「同じビル内であれば指揮も執りやすい」と2フロア体制での運営に踏み切った。同店オープン直前の銀座経済新聞のインタビューに対し「あのころ(1店舗目オープン時)は不安だった」と胸中を明かし、「今なら自信がある」(銀ママ)と2店舗同時運営へ自信を見せた。

 新店の店舗面積は16坪で、30人を収容できる。5階のサロンに比べ面積は2倍に、席数は3倍へと拡大。2店舗体制は客の棲み分けを可能にし、3階は団体で来店した客がカラオケを楽しめるスペースとして、5階はカラオケがない分、女性スタッフとの会話を楽しめるスペースとして機能させる。セット料金は10,000円でハウスボトルが飲み放題。焼酎、バーボン、ウイスキー、コニャック、シングルモルト(10,000円~)などのキープボトルを入れると上記価格より2,000円が割り引かれるほか1人で来店した場合にはテーブルチャージが2,000円追加される。

 いわゆる「銀座のクラブ」とは一線を画したこうしたシステムについて、「不景気だからこそ接待したいと思うお客さまはいらっしゃる。高級クラブへ社用で行くのは減ってきており、コストパフォーマンが高い方に流れている」と銀ママは話す。最近では社用で来店した客がプライベートで来るケースも少なくないという。

 オープンから3カ月経過し「オープン直後はとても辛かった。一番大変だったのは人員問題」といい、「商品がそろっていないコンビニへ誰も行きたくないのと一緒で女の子が並んでいない箱にはお客さまは興味を示さない」と、期待して来店した客をがっかりさせてしまったことがあったことも明かした。ママの方針として店の「商品」となる「女の子」を教育するのは営業中のみで、女性スタッフのほとんどはダブルワークを行なう素人の女性たち。3階の戦力となるスタッフを5階の営業中に育てようとしたが、「小さい箱では少人数しか育たない」という落とし穴に気付いた。小スペースでは、スタッフが持ち場がないと感じ仕事に魅力を感じず長続きしない結果を招いたという。

 11月半ばから、ようやく順調に回りだしたと頬をゆるめる銀ママ。現在、5階はママが厚い信頼を寄せる「あきさん」を司令塔に、3階はママを中心に連携プレーを行う。オープン当時は2フロアで計5人体制の日もあり「今日は5階をお休みにして3階だけで営業を行なおうか」と悩んだこともあった。しかし、これまでに2店舗体制を一度も崩すことはない。現在の在籍数は目標の30人には及ばないものの18人とまずまずの体制に。「その子その子に応じたケアが必要。ダブルワークで無理していることもあるので、プライベートを把握してあげることが大切」とスタッフへの気づかいは怠らない。

 「銀座の夜の街に空車のタクシーがあふれるなど、マクロの視点で不況を感じることは多いが需要は必ずある」と話し、「目の前のお客さまを一番大切にすることが一番の営業だと思う。今後も、より多くのお客さまにお越しいただけるよう裾野を広げていきたい」と意欲をみせる。

 営業時間は、3階「Lounge 銀ママ」=20時~翌1時、5階「Social Salon 銀ママ」=19時30分~24時。来店前に要電話連絡。土曜・日曜・祝日定休。12月27日~1月4日は休み。

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