「銀座ミツバチプロジェクト」今年も始動-西洋ミツバチの全滅にも屈せず

写真=巣箱から取り出した西洋ミツバチ。「日本ミツバチはおとなしく手で触っても大丈夫。駆除しようと巣をつついたりするので人間に向かってくるだけ」(田中副理事)

写真=巣箱から取り出した西洋ミツバチ。「日本ミツバチはおとなしく手で触っても大丈夫。駆除しようと巣をつついたりするので人間に向かってくるだけ」(田中副理事)

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 銀座のど真ん中(紙パルプ会館屋上=中央区銀座3)でミツバチを育てるプロジェクト「銀座ミツバチプロジェクト」が、今年も本格的に動き始めた。2006年の開始以来、過去3年間の採みつ量は右肩上がりを示し、昨年は400キロの収穫量に恵まれたが、昨年末より西洋ミツバチに異変が生じたという。

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 同所では日本ミツバチと西洋ミツバチを3群(3箱)ずつ飼育していたが、昨年末より西洋ミツバチの数が激減し、冬越えすることができずに全滅する事態を招いた。世界的にもミツバチの減少が取りざたされるなか、同プロジェクト副理事の田中淳夫さんは、原因として「ダニのまん延」「ネオニコチノイド系の農薬の影響」を挙げる。

 田中さんは「ダニ駆除剤がきかない免疫力の強いダニが増えた。ミツバチの背中についたダニはミツバチの血液を吸い弱らせる。そのミツバチが巣箱へ帰ると巣箱内で伝染してしまう」といい、一方のカメムシ対策でも米に散布する同農薬は「有機ではないので土壌やカエル、昆虫などにも悪影響を及ぼす。ミツバチにもその被害が及んだと考えられる」と分析する。

 すでに西洋ミツバチ3箱を買い足し万全な態勢は整えた。日本ミツバチが被害を受けなかった理由については、「通常は山奥に生息するものなので、サルのようにダニを互いに取り合う習性がある」と言及したほか、ミツバチの生態への理解についての必要性も訴える。

 採みつしたハチミツは例年通り銀座生まれのスイーツやせっけんとして販売を予定し、「すでに予約でいっぱいなので新しい商品化は今のところ考えていない」とも。今月からは養蜂講座も開始し、受付開始後すぐに30人の定員に達したという。

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