銀座・京橋エリアの現代美術ギャラリー11店で7月25日、各店が薦める気鋭の若手作家を紹介する合同展「画廊からの発言 新世代への視点2011」が始まる。
現代美術を扱う貸しギャラリーを中心に、「若手の気鋭作家を紹介するのに、みんなで同時に開けば注目が集まるのでは」(藍画廊代表の倉品みき子さん)との思いで1993年にスタート。各店が推薦する40歳以下の若手作家の個展を一斉に開催する内容で、これまで中山ダイスケさん、大巻伸嗣さん、風間サチコさんなどの現代美術作家をいち早く紹介してきた。
12回目を迎える今回は11店が参加。銀座エリアからは「なびす画廊」「藍画廊」「ギャラリー現」「ギャラリー Q」(以上、中央区銀座1)、「コバヤシ画廊」(銀座3)、「ギャラリー 58」(銀座4)、「ギャラリーなつか」(銀座5)、「GALERIE SOL(ガルリ ソル)」(銀座6)が参加する。
推薦アーティストは、鑑賞者が紙吹雪の「湯」に漬かるインスタレーション「カミフブキオンセン」など「破天荒」(倉品さん)なアプローチが持ち味の友政麻理子さん(藍画廊)、じんましんや関節リウマチなどの処方薬を素材に立体作品を展示する大久保愛さん(ギャルリー東京ユマニテ)、卒業式に参列する子どもたちの険しい表情が印象的な油彩作品などを出品する三浦建さん(ギャラリー 58)など。
関連企画としてギャラリーなつかでは入札式小作品展を開催。売り上げの一部を「東日本大震災芸術・文化による復興支援ファンド」に寄付する。7月30日には、銀座会議室(銀座3)を会場に武蔵野美術大学に在籍するメンバーで構成される「ステューデント・キュレーターズ」が主催するシンポジウム「3.11 以降のアートとアトム」を開催。開催時間は15時~18時。先着120人。予約可。
現代アートについて、倉品さんは「若手作家たちの中には震災を期に、『自分が本当に美術家として作品を作っていていいのか』という根源的な問いかけをしている方も多い。今、目に見える変化が生まれているわけではないが、受けたものの重さが各作家の作風やアートシーンにどう現れてくるのか、長いスパンで見守っていきたい」と話す。
合同展については、「画廊巡りは散歩コースとしても楽しい。新しいエネルギーに無料で会える場所なので、気負わずに気軽な気持ちで足を運んでもらえれば」と来場を呼び掛ける。
開催時間は11時30分~19時(「gallery 21yo-j」のみ13時~18時、最終日は17時まで)。日曜定休。8月6日まで。