ドイツのアートブック出版社「TASCHEN(タッシェン)」の国内初の常設ショップ「タッシェン ストア」が12月9日、インテリアショップ「BALS TOKYO GINZA」(銀座ベルビア館4階、TEL 03-5524-1218)内にオープンした。
タッシェンは1980年、当時18歳だったベネディクト・タッシェンさんがドイツで開いたコミック店をきっかけにスタート。1984年、ルネ・マグリットの英語本約4万部を買い取り低価格販売したことを皮切りに、「美術書を大衆に」との思いで出版業界に進出した。
現在までに、アート関連書籍を20以上の言語で刊行し、90カ国以上で販売。建築、デザインから、写真、ライフスタイル、クラッシックまでを独自の視点で取り扱い、ドイツ、アメリカ、フランスなど7カ国で直営店12店舗を展開する。
インテリアショップを展開するバルス(渋谷区)では、2010年より「インテリアを構成する重要な要素」としてアート性やファッション性の高い家具などの販売に力を入れる。タッシェンの常設コンセプトストアのオープンは、「アートをインテリアに取り入れる選択肢の一つに、アートブックを手にとってもらえれば」との思いから。同店のほか、直営店「BALS TOKYO NAKAMEGURO」(目黒区)「BALS TOKYO ROPPONNGI by AGITO」「AOYAMA Francfranc」(以上、港区)でもタッシェンのブックコーナーをスタートさせる。
店舗面積は約31坪で、内装デザインは北村竜一さんが手掛けた。白と黒をメーンにした内装で、木片を積み上げた什器やシェルフなどスギやヒノキのむき出しの素材感が特徴。店内には閲覧用のソファを置き、タッシェンの限定本「付録」のアートポスターも展示する。
書籍は建築、インテリア、ポートレート系写真集などに力を入れ、約400冊を扱う。現在は、スキャンダラスな世界観をスタイリッシュに構成する写真家ヘルムート・ニュートンのテストポラロイドを集めた「Helmut Newton, Polaroids」や、ロンドンの現代美術ギャラリーが依頼し、ジャン・ヌーベルさん、伊東豊雄さんなど国際的に活躍する建築家が手掛けた期間限定パビリオンを集めた「Serpentine Gallery Pavilions」、パリ、ロンドンなどの都市別トラベルガイドシリーズのボックスセット「TASCHEN 4 Cities」などを並べる。
「見たり読んだりして楽しむだけでなく、飾ってインテリアになる本も多い。スギやヒノキの香りが漂う空間になっているので、『森の中』のような雰囲気でアートを楽しむ時間を過ごしてもらえれば」(バルス広報担当者)。
営業時間は10時~21時。