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明石町で中央区の出土貨幣展-銀貨鋳造機関「銀座」遷置400年記念で

便所跡から出土した天保一分金(八丁堀2丁目遺跡)

便所跡から出土した天保一分金(八丁堀2丁目遺跡)

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 中央区立郷土天文館(中央区明石町、TEL 03-3546-5537)では現在、中央区から出土した貨幣を一堂に紹介する企画展「銭!! ぜに!! ゼニ!!」が開催されている。

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 中央区内には江戸時代、「金座」「銀座」という金貨と銀貨をそれぞれ鋳造する機関があった。それまで貨幣の鋳造は各地でバラバラに行われていたが、徳川家康が江戸幕府を開いて貨幣の鋳造を独占。金座は現在の日本橋本石町にある日本銀行本店に位置し、銀座は1612年から日本橋人形町1丁目に移転する1801年まで現在の銀座2丁目に構えた。これが現在の銀座の地名の由来とされ、2丁目には「銀座発祥の地」の記念碑も見られる。

 銀座が銀座2丁目に遷置されて400年を迎えることを記念して開催する同展。会場では江戸時代の代表的な銭貨である寛永通宝を中心に、天保通宝などの国産銭、金貨や銀貨、中国からの渡来銭、近代のお金など、区内で出土した50種以上の貨幣を一堂に紹介。お金に似せて作られた玩具の出土品も並べる。

 貨幣は京橋2丁目遺跡、明石町遺跡、八丁堀2丁目遺跡、日本橋1丁目遺跡など中央区内の各遺跡で出土し、墓、下水施設、穴蔵、便槽(べんそう)などから見つかったものも多いという。これらは「さんずの川の渡し賃」「魔よけ」「便所の神様へのささげ物」などとして置かれたもので、出土状況をパネルなどで紹介しながら、当時の貨幣の貨幣以外の役割を伝えるコーナーも。

「銭貨を特集した展示企画はあまり見られないもの。この機会に銀座の地下にも埋まっているかもしれない埋蔵金を想像しながら楽しんでもらえれば」と同館担当者。

 開催時間は10時~19時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。月曜休館。入場無料。2月26日まで。

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