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銀座シネパトス最後の名画座、銀座が舞台の29作品一挙公開へ

「二人の銀座」より©日活

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 3月末の閉館を控える「銀座シネパトス」で2月2日、銀座を舞台にした昭和期の映画29作品を一堂に集めた名画座特集「銀幕の銀座」が始まる。

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 集まったのは、戦前から戦後の高度成長期までを時代背景に、クラブ、洋裁店、画廊など銀座を特徴付ける幅広い側面を映し出した29作品。1967(昭和42)年の開館以来独自のラインアップで映画ファンを集めてきたシネパトス閉館にあたって、最後の名画座特集に「懐かしい銀座」をしのぶ映画作品を選出。解説は、評論家で「銀幕の銀座」(中央公論新社)作者の川本三郎さんが務めた。

 空襲下、埋め立てられる前の外堀川にかかっていた数寄屋橋で男女が会うシーンが印象的な「君の名は」(三部作、1953年~54年)は、数寄屋橋を全国に広めた記念的作品。主題歌が現在も広く知られる「銀座の恋の物語」(1962年)は、銀座の裏に住む画廊の卵・石原裕次郎さんと、洋裁店で働く浅丘ルリ子さんとの恋を描く。

 「その場所に女ありて」(1962年)は、有楽町に朝日、毎日、読売の各新聞社が構えたことから銀座かいわいに多かったという広告代理店を舞台に働く女性たちを描いた傑作。原節子さんが画家の卵として銀座で似顔絵描きをする「東京の恋人」では、日本に現存する数少ない可動橋である勝どき橋が開いている風景を目にすることができる。

 ほかにも、今年5月に売却が決まっている「銀座テアトビル」にかつて構えた映画館「テアトル東京」、今年6月末に営業終了を発表している「松坂屋」など、銀座かいわいの名スポットを三人娘が渡り歩く「ロマンス娘」(1956年)や、和光の時計塔、築地川、汐留川沿いにあった映画館などが数多く登場する「セクシー地帯」(1961年)など、時代とともに移り変わっていく銀座の風景を捉えた貴重な作品を一堂に集める。

 2月17日には、バンドマンと洋裁店員との恋を描いた「二人の銀座」(1967年)に主演した和泉雅子さんと河本さんとのトークショーも予定。各作品の上映スケジュールは公式サイトで確認できる。

 鑑賞料金は一般・学生1,300円(2本立て)ほか。

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