暮らす・働く

新しい歌舞伎座、開場迫る-劇場空間から舞台裏まで公開

「伝統の継承」をキーワードに第4期を踏襲した第5期歌舞伎座劇場空間

「伝統の継承」をキーワードに第4期を踏襲した第5期歌舞伎座劇場空間

  • 0

  •  

 開場まであと8日に迫った第5期歌舞伎座(中央区銀座4、TEL 03-3545-6800)が3月25日、報道陣向けに場内を公開した。

平等院鳳凰堂母屋の方位に描かれる菱型文様を再現したロビー床面

[広告]

 こけら落としの演目を記す看板が大きく掲げられ、開場までの「期待感」が高まる歌舞伎座。晴海通りに面した正面のファサードはすでに一般に向けて公開が始まっており、中央に大きく鳳凰(ほうおう)丸をレイアウトした櫓(やぐら)や唐破風(からはふ)屋根、ちょうちんなど、第4期の意匠を踏襲した正面玄関前では連日通行人が足を止め、記念撮影する姿が見られる。

 今回公開されたのは、正面玄関を入って最初にお目見えする1階ロビーから1階~3階までの客席、バックヤードの一部、歌舞伎タワー5階の屋上庭園。エレベーター、エスカレーターが導入された場内には一面に緋(ひ)色のじゅうたんが敷かれ、真新しく明るい雰囲気で芝居の開幕を待ち受ける。

 大間と呼ばれるロビーには、2階までの吹き抜け箇所の床面に第4期歌舞伎座開場時に用いられた平等院鳳凰堂の方位の模様を再現。劇場は白地の吹寄竿縁天井(ふきよせさおぶちてんじょう)の大空間に、1階席897席、2階441席、3階470席をレイアウト。人気の一幕見席は椅子席96席、立ち見席60を用意する。

 舞台サイズは、間口の左右が91尺(約27.6メートル)、高さ21尺(約6.4メートル)、客席に張り出した花道の長さは60尺(約18メートル)、回り舞台の直径は60尺(約18メートル)。第4期の「再現」をコンセプトに、第4期の寸法を踏襲する。

 一方、舞台裏には技術革新に伴って数多くのリニューアルを施す。回り舞台には従来の「松ゼリ」「竹ゼリ」「梅ゼリ」の3つのセリのほか、盆の半面に「大ゼリ」を設計。これまで約4.4メートルだった「奈落」を最大約16.45メートルにまで深くして、大奈落の横に大道具を置ける場所をレイアウト。舞台上手袖も9メートル拡張した。これにより、大掛かりな大道具の導入や、よりスムーズな舞台転換が可能という。

 従来のイヤホンガイドによる同時解説のほかに、専用モニターに文字を表示して舞台解説を行う「字幕(G・マーク)ガイド」も導入。せりふや詞章の要約、場面の状況などをわかりやすく伝える「解説チャンネル」と上演台本の内容をそのまま伝える「台本チャンネル」の2チャンネルを用意して、1階席・2階席では前席背面設けた取り付け器具にセットしてモニター操作を行うことができる。

 3月27日には歌舞伎座新開場を記念して、中村時蔵、中村芝雀、中村福助、市川染五郎、尾上菊之助、市川海老蔵、片岡愛之助、中村獅童ら歌舞伎俳優約60人が紋付きはかま姿で銀座通りを練り歩く「銀座・春のパレード『GINZA 花道』」を実施予定。銀座通り口から10時にスタートする。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース