一足早い夏の気配に誘われ、銀座 4丁目交差点近くの「東京鳩居堂銀座本店」(中央区銀座5、TEL 03-3571-4429)で扇子とうちわのコーナーがにぎわいをみせている。
鳩居堂は今年で創業350年を迎えた老舗。毎年5月7日ごろから、1階売り場で扇子とうちわのコーナーを展開するのが恒例となっている。
扇子は約200アイテム、うちわは約100アイテムをそろえる名物コーナーとなっており、4月末ごろから「扇子のコーナーが始まるのはまだ?」と利用客から問い合わせが入ることもあるという。
女性向けの扇子では、アジサイの絵柄の「あじさい」(1,890円)、猫と金魚の絵柄の「涼あそび」(2,730円)、黒いレース張りの「シャルル」(2,625円)のほか、色鮮やかなものや変わった形のもの、レースや布製のものも好評。
男性向けの扇子では、月の満ち欠けの絵柄の「月齢/青」、波紋の中を泳ぐメダカの絵柄の「波紋メダカ」、暗闇の中に光るホタルの絵柄の「芒(すすき)ホタル」(以上2,100円)や鳥獣戯画の絵柄の扇子も人気商品になっている。
「父の日の贈り物に名入れの扇子が欲しい」という利用客の要望に応え、職人が手書きで名前を入れる「無料名入れサービス」を今年から期間限定で始めた。無料の名入れサービスは鳩居堂では初の試みという。無料名入れの対象商品は「保赤軒」の布張りの扇子、共布(ともぎれ)のケース、桐の箱のセットで、価格は5,250円~1万5,750円。デザインは男性用28種類、女性用6種類を用意している。
併せて、近年非常に入手が困難になったというビャクダンに透かし彫りを入れ、京都の職人が「桜」「秋草」などを描いた一点ものの扇子も用意。「手描総白檀(びゃくだん)扇子 創業350周年記念」として、総ビャクダンの扇子、特注の西陣織の扇子ケース、桐の箱のセットを36万7,500円で販売する。限定 20本。
同店の閏間(うるま)栄二さんは「日頃からお客さまには売り場全体で季節感を感じてもらえるように心掛けている。『銀座に来たらまずは鳩居堂に』と親子三代で通ってくださるお客さまもいらっしゃる。日本の伝統的な季節感を守り、お客さまに提案していきたい」と話す。
うちわのコーナーは8月上旬まで、扇子のコーナーは9月上旬まで展開予定。営業時間は10時~19時(日曜・祝日は11時から)。