東京国立近代美術館フィルムセンター(中央区京橋3、TEL 03-5777-8600)で8月28日から、「チェコの映画ポスター―テリー・ポスター・コレクションより」が始まる。
同展では、プラハの映画ポスター専門ギャラリー「テリー・ポスター」が所蔵する、チェコスロヴァキア時代の1950年代後半から1980年代までに制作された映画ポスター82点を紹介。「女は女である」「突然炎のごとく」「鳥」「暗殺の森」などの有名作品や「蜘蛛巣城」「羅生門」「ゴジラ」などの日本映画のポスターも。
同センター主任研究員の岡田秀則さんは「当時、社会主義国だったチェコスロヴァキアでは映画を製作した本国の宣伝方針に縛られず、時に映画を大胆に『異化』する創意によって数々の名作映画ポスターが生み出された。それらを手掛けたのは従来の社会主義リアリズムを脱した新世代のグラフィック・アーティストたち。作品の内容説明よりも象徴的な表現を目指すポスター作家が多かった」と話す。
飛び降り自殺した妻との過去を男が回想するフランス映画「やさしい女」のポスターについて「説明的な語りを排したロベール・ブレッソン監督の演出に沿うように、ポスターも死の真実に近づこうとすればするほど謎だけが立ちはだかる女の存在を、一つの強烈なイメージで描いた」とも。
8月31日には14時よりテリー・ポスター代表のパヴェル・ライチャン氏の講演会も開かれる。
開室時間は11時~18時30分。月曜、9月16日~9月26日休室。入場料は一般200円ほか。12月1日まで。講演会の詳細などは公式サイトで確認できる。