東京国際フォーラム(千代田区丸の内3)ガラス棟ロビーギャラリーで現在、新聞で大きく報道された写真を集めた写真展「報道写真が伝えた100年-定点観測者としての通信社-」が開催されている。主催は公益財団法人新聞通信調査会。
「広島の惨状伝えるパノラマ」(上)と「現在の広島のパノラマ写真」(下)
同財団法人は通信社の役割や活動の普及啓発事業の一環として、「定点観測者としての通信社」と題した写真展を年に1回開催している。
7回目の今回は「報道写真が伝えた100年」をテーマに、日本の通信社が新聞社向けに本格的な報道写真の配信を始めたころの1912(大正元)年、青山葬場殿で行われた明治天皇の大喪儀の模様を撮影した写真から、今年の熊本地震までの約100年間の代表的なニュース写真約80点を展示。期間中に約35万人の来場者を見込む。
会場では初の一般公開となる「原爆投下直後の広島パノラマ写真(中国新聞社屋上から)」や、「豪打者ベーブ・ルース来日」「3億円事件」「日航ジャンボ機墜落」などの国内のニュース写真のほか、太平洋戦争中に当時の同盟通信社が国民の戦意高揚のため、戦地での日本軍の動向を伝える宣伝報道の一環として全国の学校や工場、商店などに配布した張り出し用の日刊写真ニュース「同盟写真特報」の一部も展示する。
同財団法人通信社ライブラリー館長・司書の鈴木元さんは「平日は近隣のビジネスパーソン、休日は家族連れやカップル、外国人観光客の方などさまざまな方にご覧いただいている」と話す。
「新聞各紙で大きく報道されたニュース写真を通して、100年の歴史を見てもらいたい。昔と今を対比できるように展示したものもあり、世の中の変化もご覧いただけると思う。通信社に対する皆さまのご理解が少しでも深まれば幸い」とも。
開廊時間は10時~19時(最終日は18時まで)。入場無料。9月9日まで。