ノエビア銀座ギャラリー(中央区銀座7)で現在、「時代の風貌 田沼武能・熊切圭介・齋藤康一写真展」が開催されている。
「時代の風貌 田沼武能・熊切圭介・齋藤康一写真展」の展示風景
「芸術新潮」「新潮」での仕事などを通じて、60年以上にわたって文化人を撮り続ける田沼武能(たけよし)さん、週刊誌などのグラビアページを40年間手掛けた熊切圭介さん、グラビアページ用に2000人以上の人物を撮影した齋藤康一さんの3人が撮影した、小説家・美術家・映画監督など「文化を創りあげた人物たち」の肖像写真を展示する。
会場では自宅でカナリアにひげをつつかせて「ご満悦」の表情を見せる志賀直哉、愛犬を膝に乗せた川端康成、「日本中がまだ貧乏にあえいでいた」1952(昭和27)年にダブルの背広を着ている山田耕筰、北鎌倉の自宅で日本画のコレクションを並べて悦に入る小津安二郎のほか、三島由紀夫、棟方志攻、大島渚、井上ひさし、池波正太郎らの「肖像写真」24点を展示。今年7月に亡くなった永六輔さんを熊切さんが撮影した写真も見ることができる。
ノエビア(銀座7)グループ宣伝企画部課長代理の鈴木準子さんは「昭和の文化を築き上げた方々の存在感に満ちた風貌からは、表現者としての内面はもちろん、その人たちが生きた時代の空気まで感じ取ることができる」と話す。
「写真の横には、写っている人物のプロフィルと撮影時の状況などについての解説も展示しているので、撮影現場に立ち会ったような気分で楽しんでいただければ。『肖像写真』が、その表現者の作品に触れるきっかけにもなれば」とも。
開催時間は10時~18時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。入場無料。11月4日まで。