有楽町駅に近い山手線ガード下に11月16日、静岡県や長野県など地方の特産物をテーマに居酒屋4店舗を集積した「有楽町産直飲食街」(千代田区有楽町2)がオープンした。運営は浜倉的商店製作所(新宿区)。
「恵比寿横丁」「神田ミートセンター」「品川魚貝センター」など、小規模飲食店を集積した「横丁」ブームの仕掛け人として知られる浜倉好宣さんがプロデュースした同施設。泰明小学校(中央区銀座5)と並行する全長約51メートルの高架下に4区画を設け、魚介や馬肉など各地方の特産物を扱う4店舗が出店する。フロア総面積は約280平方メートル。
入り口に構えるのは、静岡県・沼津港からの魚介類を直接取り引きする「魚河岸 魚○本店」。テトラポットや釣り舟などを置き、約15センチの巨大サザエなど「地元でしか見られない」海産物を提供する。席数は90席。
馬の厩舎(きゅうしゃ)風に仕上げた「馬かばい!」では、畜産業が盛んな熊本県から馬の内蔵や馬刺しなどを提供。運営は、品川魚貝センターで浜焼き「鰓(えら)呼吸」を手がける第一グリーン(埼玉県さいたま市)。席数は52席。
岩手県花巻市のブランド豚「白金豚」を扱うのは、オーバークラウド(渋谷区)が運営する「南部家」。トタン製の壁面やトラクターで「農家や豚小屋の雰囲気」を持たせ、地元の郷土料理や手作りの漬物なども提供する。席数は48席。
長野県がテーマの「信州神鶏」では、信濃地鶏と信州黄金軍鶏を販売。ビニールハウスをモチーフにした内装の店内に48席を設ける。人気は「黄金軍鶏」の刺身で、長野県の地酒も扱う。運営はスパイスワークス(千代田区)。
「飲食店が間に入ることによって、認知の低い地方の小規模生産者と消費者をつなげられれば」とスパイスワークス総務の山崎洋佑さん。店内ではスタッフがメニューについて客に説明する姿も見られ、「きちんと話をすることで、生産者の代わりに素材の良さを広めることを心がけている」(有楽町産直飲食街・商店会長の中本さん)という。
「横丁の魅力は料理だけでなく、その場のスタッフや別の客との絡みで人同士がつながり、みんなで楽しく飲める点」(山崎さん)とも。「インターナショナルアーケードとコリドー通りに挟まれているので、いろいろな客層の方に入り交じって楽しんでもらいたい」と利用を呼びかける。
通常営業時間は16時~翌5時(日曜・祝日は24時まで)。