老舗の大盛りパスタ店「エトナ」(中央区銀座7、TEL 03-3541-7095)が12月27日、閉店する。
イタリアの火山・エトナを冠した同店は1968(昭和43)年、伊・シチリア州で覚えたレシピを基に、佐藤彰三さんがオープンしたパスタ店。「パスタ店自体が珍しかった」という当時から現在まで、炒めたパスタにソースを絡める調理スタイルを守り続け、並=120グラム、中=170グラム、大=220グラム、ジャンボ=「目分量」の4サイズでパスタを提供。「腹持ちがいいこと」が特徴だ。
銀座5丁目でオープンし、現在の7丁目に移転したのは1988(昭和63)年ごろ。調理場に男性4人、ホールに男性3人を配して「お客さんが食べている頭上を皿が次々と行き交う」ほどの行列店として知られたが、1997年に彰三さんが亡くなったころから徐々に客足は「落ち着く」ように。現在は彰三さんの妻・いづみさんが店主となり、女性従業員と2人で店を切り盛りする。
当初30種あったメニューは8種に定着。一番人気はトマトソースに日替わりでポークやチキンなどの具を加える「特選」(830円~)。そのほか「ミートソース」、「ナポリタン」などの定番に加えて、ナポリタンにカレー粉を加えた「インディアン」、塩味パスタにガーリックと粉チーズ入りの薄焼き卵を乗せた「ガーリックエッグ」などの変わり種も用意する。
来店客は、銀座1丁目から汐留、新橋までの若いサラリーマンが中心。「99%が男性」で、「常連客が後輩を連れてきて、その後輩がまた通ってくれるようになる」という循環を繰り返し、43年間にわたって近所のサラリーマンに愛されてきた。
閉店は賃貸契約上の理由から。今後については、「店を続けてこられたのは、本当に常連の皆さんのおかげ。店を愛してもらっているお客さんのためにも、近隣で再開したいと思っている」といづみさん。「年齢的に考えても、あと10年はやるつもりだった。どこかに場所が変わっても、できれば50周年を迎えたい。いい物件に巡り会えればいいのだが…」と話す。
営業時間は11時30分~15時ごろ。土曜・日曜・祝日定休。