松屋銀座(中央区銀座3)地下1階食品売り場に2月21日、糀ドリンクや料理用糀など糀(こうじ)食品の専門店「古町糀製造所」(TEL 03-5579-9463)がオープンする。運営は、おむすび専門店・銀座「十石」などを手掛ける和橋商店(中央区)。
みそ、みりん、日本酒などの発酵食に欠かせない糀は、蒸した米、大豆、麦などの穀物にコウジ菌を繁殖させたもの。一般的には「麹」と表記するが、みそ蔵などでは「糀」と記すことも多い。米を原料とする米糀は、ぬるま湯に数時間浸すと糖化され、ビタミン、必須アミノ酸、ブドウ糖などを多量に含む栄養価の高いドリンクとなる。同ドリンクは甘酒に似ているがノンアルコールで、デンプン由来の自然な甘さが特徴。
銀座におむすび店を構える同社は2007年、食材の勉強で新潟のみそ蔵、酒蔵を訪問した際に糀に出合い、「糀造りに携わる方の肌の美しさ、頂いた一杯の糀の米だけで表現される濃厚な甘さに驚いた」。以来糀の勉強を重ね、2009年に新潟の商店街・古町にご飯としてそのまま食べられる等級の新潟産の米で作った糀を使う糀食品専門店「古町糀製造所」(新潟市)を開いた。
銀座「十石」本店が構える松屋銀座では、これまでも期間限定の催事で古町糀製造所の出店を重ね来店客の反応も高かったという。同店は、今月1日に自由が丘に路面店がオープンしたのに続き、百貨店初の常設店となる。場所は地下1階の食品売り場。店舗面積は13平方メートルで、店舗は本店のイメージを保ちつつ、糀を仕込む際の道具「こへぎ」を側面にデザインし、糀の世界観を表現した。
店内では、糀の糖化された状態をそのまま瓶詰めにした糀ドリンク(1瓶=500ミリリットル入り、1,575円~)をはじめ、万能調味料として話題を集める料理用糀(300グラム入り、630円~)、みそのうま味を引き出したパン「味噌たま」(181円)、糀ジェラート、糀スープなど10アイテムほどをラインアップ。
店頭では、この「糀ドリンク」を本店同様に、1杯分をテークアウトできるカップタイプも用意する。「糀生姜」「糀柚子」など季節限定商品を加えて常時4~5種類を展開(341円~)。豆乳を加えた「糀豆乳ドリンク」4種も展開するほか、松屋限定ドリンクも開発中だという。
松屋食品部二課和菓子係バイヤーの始閣理子さんは「古町糀製造所は、発酵食品がブームになるずっと以前から糀にこだわり続けてきた。流行ではなく、本当に糀の良さを分かっていただけるお客さまを増やし、共に成長していきたい」と話す。
営業時間は10時~20時。