白鶴酒造東京支社(中央区銀座5)の屋上「天空農園」で5月30日、福島県須賀川市の名産「岩瀬キュウリ」の苗植式が行われた。
「日本酒文化の情報発信を銀座からできないか」(東京支社次長の小田朝水さん)と2007年から社屋屋上で米作りに取り組む同社。昨年はモミ約65キロを収穫し、社屋6階では収穫した米を使った酒造りも手掛ける。
この活動を通して「屋上緑化や地域活性化への意識が深まった」と小田さん。現在までに、水田に加えて、徳島県のスダチ、大分県のカボス、福井県のトマト、高知県のショウガなど、仕事や活動を通して関わってきた地域の果樹や野菜を植え付け。屋上で大きく育っている。
須賀川岩瀬キュウリは、地域イベント「ファーム・エイド銀座」を手掛けるNPO法人「銀座ミツバチプロジェクト」からの紹介で苗を植えた。同市と銀座ミツバチとの交流は昨年からスタート。市内生産者らが毎月銀座で物産展を開くなど親交を深め、銀座と須賀川のコラボ商品を展開する計画なども進んでいるという。
曇り空に初夏の風が心地良い同日昼、屋上には同社社員、須賀川市の生産者、銀座ミツバチのスタッフ、銀座で働く会社員からママまで幅広い人々が集まり苗植えを体験。近所の施設で働く男性は「土を触ったのは10年ぶり。銀座には仕事か買い物でしか用事がないと思っていたが、自分が植えたキュウリがここにあるんだと思うとうれしい」と話していた。
今回植えた岩瀬キュウリは「ときわの光」「四川」の2種で計23株。7月には収穫の時期を迎え、銀座の飲食店などで活用される予定。