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資生堂、銀座周辺で生きものの生態調査-カイツブリの営巣、ゴイサギの捕食も

本社社屋1.5キロ圏内で観察されたヒヨドリ

本社社屋1.5キロ圏内で観察されたヒヨドリ

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 資生堂(中央区銀座7)は来年秋に竣工予定の本社社屋での屋上緑化に向け、銀座地区周辺での鳥類・昆虫類の生態調査を実施し、周辺街路樹にメジロ、アオスジアゲハ、アキアカネなどを確認した。

カタバミに産卵中のヤマトシジミ

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 並木通り沿いに構えた資生堂本社社屋は、施設の老朽化を理由に今年5月から建て替え工事に着手している。新社屋は来年8月末に竣工予定。地下2階・地上10階建て、高さ48メートルのビルで、延べ床面積は約8900平方メートル。オフィス機能に加え、一般利用が可能なホールや店舗、 資生堂の歴史や文化を紹介する展示コーナーなど、公共機能を備える施設を検討している。

 約400平方メートルの社屋屋上では、銀座地区への地域貢献と、都市部における生物多様性の確保を目的に屋上緑化を実施予定。今回の調査では、同ビル周辺1.5キロ圏内にある緑地と、緑地間を結ぶ街路樹が多い道路を対象に、目視で確認された鳥類・昆虫類の種名・個体数・行動を記録した。

 圏内には日比谷公園と浜離宮庭園が展開。日比谷公園ではコシアキトンボの個体数が多く、水際では縄張り優占、交尾、産卵などの行動が観察されたほか、花壇の花に訪花する昆虫類も多く見られた。浜離宮庭園ではカイツブリの営巣や、ゴイサギのミミズの捕食なども観察。これら2大緑地では、他の地点に比べて生きものの種類・個体数は非常に多く記録された。

 本社社屋前を含む並木通りを含めた道路では、都市で害虫となっているハシブトガラス、カワラバト、都市に適応しているスズメを除くと、観測された種数、個体数は少なかった。調査では2大緑地に挟まれた銀座周辺は生きものの利用頻度が低いことが明らかになった一方、現在は「都市砂漠」状態でも周辺の大緑地の「中継地」として「将来的には生きものが増える可能性がある」とも。

 この調査結果を基に、報告書では屋上への「誘致のしやすさ」を段階判定。もともと並木通りで観測されたヒヨドリ、メジロ、アキアカネ、アオスジアゲハ、ヤマトシジミなどのほか、オナガ、コゲラなどの鳥類、シオカラトンボ、キチョウ、イチモンジセセリなどの昆虫類について、緑化への工夫次第で屋上へ訪れる可能性があるとした。

 なお、現在の屋上緑化計画案にはヒヨドリ、メジロなどが好むツバキの植栽、池の設置などが盛り込んでおり、同社では今回の調査結果を踏まえ、引き続き緑化計画を検討。誘致に効果的な環境づくりを目指す。

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