銀座の地域情報を発信するウェブラジオ放送局「ソラトニワ銀座」が6月29日、松屋銀座(中央区銀座3)に開局し、番組放送が始まった。
12時~19時まで、銀座の地域情報などをライブ発信するラジオブース
初夏の日差しが照り付けた14時、屋上中央部の特設ステージで生放送がスタートした。パーソナリティーは元フジテレビアナウンサーの深澤里奈さん。4時間の開局特番で、バイオリニスト高嶋ちさ子さん率いるバイオリニスト集団「12人のヴァイオリニスト」や、ファッションモデル前田典子さんらがゲストとして登場。生演奏などで放送開始を祝った。
企画・運営は、今年2月に神宮前で同様のラジオ局を開いたノスプロダクター(渋谷区)。ウェブラジオ放送をローカルメディアとして活用し、リアルイベントと連動させることで地域活性化を目指す同社。「ゆくゆくは、話が面白い老舗とんかつ屋の店主など、『ローカルヒーロー』をパーソナリティーに迎えていきたい。銀座の今の地域情報が集まるリアルなコミュニケーションの場となれば」(ノスプロダクターの小野坂直之社長)と意気込む。
屋上では、エレベーターホール付近に設けたラジオブースを中心に、地域や番組と連動したイベント展開を想定したフリースペースを開設。ラジオブースを含めた「ソラトニワ銀座」スペースは434平方メートルで、屋外部は約20個のプランターで飾り、椅子40脚、ベンチ6脚、テーブル20個を設置して一般開放する。今後はエスプレッソバーなども設置予定。
「昔、百貨店の屋上といえば遊園地などがあって集客が見込める場所だった」と松屋構造改革推進委員会事務局長の古屋毅彦さん。松屋銀座の屋上では2002年秋、プレイランドが閉鎖。2007年5月から空間の一部で屋上緑化に取り組み、2008年には野菜栽培も開始したが、中央のメーンスペースは「更地で物置のようになっていた」という。2010年6月には、エレベーターホール前のペットショップも閉店していた。
以来、屋上の有効活用を模索してきたという古屋さん。昨年の震災をきっかけに「ローカル情報の強さ、重要さを感じた」。「松屋銀座は銀座に構えて87年。銀座の百貨店として、ラジオを通じて地元との連携を強め、一緒に地域活性化に取り組んで行けたら」。
ラジオは、パソコンやスマートフォン対応の無料アプリ「ソラトニワ」をダウンロードすることで視聴可能。併せて、銀座地区の店舗限定特典を受けることができる「ソラトニワチケット」にもアクセスできる。
メーンターゲットは「百貨店離れが進んでいる」という30代女性。ソラトニワ開設を通して、前年比「3~4ポイント」の入店客数増加を目指す。