B級映画やR指定映画など、独自の視点による上映作品群で知られるミニシアターで、共に閉館が決まっている「銀座シネパトス」(中央区銀座4、TEL 03-3561-4660)と「シアターN渋谷」(渋谷区)が11月3日、ダブルネームTシャツを発売する。
銀座シネパトスは今年7月、出店する三原橋地下街の取り壊しを受けて来年3月で閉館することを発表。シアターN渋谷では劇場デジタル化への設備投資について「中期的な展望を見いだすことが難しい」と判断し、9月に今年12月2日での閉館を発表している。
昭和の名作やR指定映画の上映にも力を入れてきたシネパトスと、音楽系のドキュメンタリーやB級映画のラインアップで知られたシアターN。これまで偶然同じ映画を上映したこともあったというが、「劇場同士でのつながりは特になかった」とシネパトス営業スタッフの永生梢さん。しかし相次ぐ閉館発表を受け、「ツイッターなどは『パトスに次いでNも閉館とは…』と、並べて捉えられる方が多かった」。
「あらためて共通のファンが多いことに気付いた」永生さん。シアターNに「一緒に何かできないか」と声を掛け、「最初で最後のコラボ」としてダブルネームTシャツ発売が実現したという。
デザインは、これまでシアターNの物販デザインなどでつながりのあったデザイン会社「ハードコアチョコレート」が担当した。胸の部分にある「GRINDHOUSE(グラインドハウス)」は、「通常は埋もれてしまうような映画を上映するアメリカの劇場の総称」を意味する。中央には左右に各劇場の入口画像を大きくレイアウトし、下部には各劇場での過去の上映作にちなんだイメージを盛り込んだ。
シネパトスの営業年数46年と、シアターNの営業年数7年を足した2色計53枚限定のダブルネームTシャツで、シネパトスでは黒色、シアターNでは青色のシャツをそれぞれ取り扱う。発売日は11月3日で、販売価格は2,900円。
合わせて同日から11月16日までに両劇場で映画を鑑賞した人の中から抽選で5人に、同デザインの赤色Tシャツを進呈。シネパトスでは同日より、「私の奴隷になりなさい」「ユニバーサル・ソルジャー 殺戮の黙示録」の上映がスタートする。