見る・遊ぶ

有楽町でアジア国際映画祭「東京フィルメックス」-キム・ギドク監督受賞作も

「514号室」(イスラエル/2011年/90分/監督:シャロン・バルズィヴ)

「514号室」(イスラエル/2011年/90分/監督:シャロン・バルズィヴ)

  • 0

  •  

 アジアの若手監督の長編デビュー作を中心に、キム・ギドク監督作の日本未公開新作、園子温監督の幻の作品など全46本を一挙に公開する国際映画祭「第13回東京フィルメックス」が11月23日、有楽町を中心にした映画館やホールなど3会場で開幕する。

園子温監督が1995年に撮影した幻の作品「BAD FILM」

[広告]

 2000年に始まった同映画祭は、「オフィス北野」の森昌行社長が理事長を務め、2002年にNPO法人化。アジアの映画監督を中心に、若手による新作コンペ、気鋭監督の新作上映、著名監督の特集上映などを展開。昨年は期間中に全40作品を上映。延べ1万8559人を動員した。

 9作がノミネートするコンペティション部門では、室内劇にイスラエルをめぐる複雑な環境や軍における女性の立場などの問題を炙(あぶ)り出した「514号室」(イスラエル、シャロン・バルズィヴ監督)、ジャ・ジャンクー監督がプロデューサーを務める注目作「記憶が私を見る」(中国、ソン・ファン監督)などデビュー作4作品がラインアップ。フレッシュなアジア映画の息吹を伝える。

 特別招待枠では、全12作を上映。ホン・サンス監督がイザベル・ユペールさんを主演に迎えた「3人のアンヌ」(韓国)、アキ・カウリスマキ監督やべドロ・コスタ監督などヨーロッパを代表する4人がポルトガルの古都を舞台にメガホンを取ったオムニバス作品「ギマランイス歴史地区(仮題)」(ポルトガル)など、現在活躍中の気鋭監督の新作を紹介。2012年べネチア映画祭で金獅子賞を受賞したキム・ギドク監督の日本未公開作「ピエタ」(韓国)、園子温監督が中央線を舞台に1995年に撮影した幻の作品「BAD FILM」(日本)などにも注目が集まる。

 今年は、イスラエルと日本の外交関係樹立60周年にあたる年。同祭では、アモス・ギタイ監督作や、イラン出身モフセン・マフマルバフ監督がイスラエルで撮影した「庭師」などの特別招待作品、新人監督2人がノミネートするコンペティションに加えて、現在のイスラエル映画の「萌芽(ほうが)」が垣間見えるという「1960年代」にもフォーカス。後にハリウッドのプロデューサーとして活躍することになるメナヘム・ゴーランさんの監督デビュー作「エルドラド」や、草創期のイスラエル映画を代表するエフライム・キション監督による風刺コメディー「サラー・シャバティ氏」などイスラエル映画史に残る4作を公開し、イスラエル映画の過去から未来までを重層的に紹介する。

 会場は有楽町朝日ホールを中心に、TOHOシネマズ日劇(以上、千代田区有楽町2)はレイトショーで参加。関係者による質疑応答やトークイベントなども数多く展開する。東劇(中央区築地4)では、木下恵介監督生誕100年を祝して19作品を特集上映。メゾン・エルメスでのイベントもあり、「街を舞台に幅広い作品が見られるお祭りのような10日間になる。いつもの街を違った視点で楽しんでもらえれば」(東京フィルメックス広報担当岡崎匡さん)。

 チケットは前売り1回券=1,300円(東劇は1,200円~)、当日一回券=1,700円など(同1,300円など)。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース