「飲食業界の価格破壊」をうたい文句に星付きレストランで修業を積んだシェフを迎えた店舗展開で知られるバリュー・クリエイト（中央区銀座8）が、今年7月に銀座に出店した「銀座 おかもと」（銀座8）でミシュランガイドに初登場した。

2つ星に初登場した高級日本料理店「銀座 おかもと」

　ブックオフコーポレーション（神奈川県相模原市）創業者として知られる坂本孝さんが飲食業界に参入し、2009年に創業した同社。「八重洲串や」などの飲食店を展開し、昨年9月に立ち飲みスタイルのバールに3つ星レストランなどで修業したシェフが常駐する「俺のイタリアン」（港区）をオープン。以来八重洲、神谷町などに次々と同業態をオープンさせ、いずれも予約待ちの状態が続く人気店へと成長。

　「夢だった」という銀座進出は、今年4月の「俺のイタリアンGINZA」、5月の「俺のフレンチGINZA」（以上、銀座8）などが皮切りだった。7月にミシュラン3つ星常連店「麻布 幸村」の料理長だった岡本英嗣さんを料理長に据えた高級日本料理店「銀座 おかもと」をオープンさせ、銀座での高級業態開発に着手した。

　「俺の～」業態同様のコストパフォーマンスの高さに加え、着席スタイルと、料理長の思いを生かした店舗作りが特徴。店名に料理長の名を冠し、「実力はあっても、個人で店をオープンするチャンスに恵まれなかった」料理人に向けて「自分の腕を生かせるステージ作りをサポートしたい」（同社企業戦略室長の浅野まりさん）との思いもあったという。

　12月1日に発売される「ミシュランガイド東京・横浜・湘南2013」では、「銀座 おかもと」が同社に初めての「星」をもたらした。評価は「遠回りしてでも訪れる価値がある」とされる2つ星。「おかもとはオープン当初から岡本さんが運営を担い、仕入れやメニュー作りなど自由にやってもらってきた」と浅野さん。2つ星獲得については、「ミシュランは本物の味の象徴的な存在。おかもとへの評価は大変うれしく受け止めており、これからもわが社の誇りになっていくと思う」と話す。

　ミシュランでは、銀座から3つ星5店、2つ星9店、1つ星28店が掲載されている。初登場は「おかもと」のほか、現代風フレンチ「エスキス」（銀座5）、日本料理「築地すず木」（築地1）、ステーキハウス「トロワフレーシュ」（銀座8）の4店舗。