東京国立近代美術館フィルムセンター(中央区京橋3、TEL 03-5777-8600)7階展示室で4月15日から「赤松陽構造(ひこぞう)と映画タイトルデザインの世界」が開催される。
赤松陽構造さんがデザインした「ゆきゆきて、神軍」(1987年)の映画タイトル
赤松さんは1948(昭和23)年、東京都中野区生まれ。1969(同44)年に急逝した父親の跡を継いで映画タイトルデザインの仕事を始めた。1983(同58)年に公開された映画「東京裁判」のタイトルで注目され、これまでに黒木和雄さん、北野武さん、黒沢清さん、阪本順治さん、周防正行さんらが監督した400以上の映画作品にタイトルを提供している、現代日本の代表的映画タイトルデザイナー。
2012年には「第66回毎日映画コンクール特別賞」「文化庁映画賞(映画功労部門)」を受賞している。
同展は「映画のタイトルデザインとは」「日本の映画タイトルデザインの歴史」「赤松陽構造の映画タイトルデザイン」「赤松陽構造の仕事部屋」の4章で構成され、赤松さんの初期作品「東京裁判」「ゆきゆきて、神軍」をはじめ、「うなぎ」「HANA-BI」「美しい夏 キリシマ」「アントキノイノチ」「横道世之介」「Dolls」「人間失格」など、25点のタイトルデザインをパネルで紹介。スクリーンサイズに近づけた大型パネルや、赤松さんが実際に使用している筆・鉛筆・墨・すずり・スケッチブックなどの仕事道具も展示する。
ほかにも映画タイトルの種類の解説や、無声映画時代の日活や松竹のタイトルデザイン、戦後から現代にかけてのタイトルデザイン、コマ撮り機構付きのカメラ、撮影台など合計約180点を展示。赤松さんの業績を紹介するとともに、日本のタイトルのデザインの歴史についても解き明かしていく。
会場では「赤松陽構造氏による自作タイトル解説」「赤松陽構造氏+阿部亙英(ひろひで)氏(編集技師)トーク」「映画タイトルデザインの歴史」などのトークイベントも行われる。
開室時間は11時~18時30分。入場料は一般210円ほか。月曜、5月27日~29日休館。8月10日まで。イベントのスケジュールなどの詳細は同センターのホームページで確認できる。