ノエビア銀座ギャラリー(中央区銀座7)で現在、「山本容子のアーティスト図鑑」が開催されている。
山本さんは1952(昭和27)年生まれの銅版画家。書籍の装丁や挿画を多く手掛けるほか、版画作品集や画文集、絵本などの著書も多く、近年は「ホスピタル・アート」に取り組んで医療現場の壁画を制作するなど、幅広い分野で活躍している。
同展では文藝春秋の書籍宣伝誌であった「本の話」のために描かれた191人のアーティストのポートレート銅版画の中から、北大路魯山人、武者小路実篤、高村智恵子、星新一、幸田文、中原中也、岸田劉生、白洲正子など32人の日本人を選んで展示。
本の持ち主の印として蔵書に貼られる「蔵書票」のスタイルで描かれた作品は、雑誌への発表時にはモノクロであったものに着彩が施されており、それぞれの作品に添えられた200字程度の「言葉」は、取り上げられたアーティストと山本さんの「架空対談の後日談」のイメージという。
ノエビア(銀座7)グループ宣伝企画部課長代理の鈴木準子さんは「今回の展示は時間をかけて文章と共に作品を鑑賞される方が多い」と話す。
「岸田劉生が『麗子像』に登場するようなセーターを着て描かれていたり高村智恵子が切り絵の中から顔をのぞかせていたりと、作品の中にちりばめられた要素を読み解くという楽しみも。ぜひ足を運んでじっくりとご覧いただければ」とも。
開館時間は10時~18時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。入場無料。10月30日まで。