ビックカメラ有楽町店、AED販売開始でイベント-小売り初

実際に機器を用いて使用方法を説明した日本光電AEDインストラクターチーム。

実際に機器を用いて使用方法を説明した日本光電AEDインストラクターチーム。

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 ビックカメラ有楽町店(千代田区有楽町1、TEL 03-5221-1111)1階店頭で5月24日、自動体外式除細動器(AED)の販売開始に合わせたイベントが行われた。

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 AEDは、けいれんしポンプ機能を失った状態(心室細動)の心臓に電気ショックを与え正常な動きを取り戻すための医療機器。全国病院外で、突然の心肺停止による死亡者は約2万人と交通事故死の約2倍に上る。心停止による突然死は発生から救命処置を行うまでの時間が1分遅れるごとに、社会復帰率が約7パーセント~10パーセント減少するといわれ、早急な処置が求められる。

 欧米での普及率は高く、アメリカでは2000年にクリントン大統領が地方における救命措置の利用に関する法律を承認、地方自治体のAED購入・訓練のために3年間にわたり2,500万ドルの連邦助成金拠出が認められたことなどから普及率が飛躍的に伸びた。日本では2004年7月の厚生労働省通知によって一般も利用できるようになり、鉄道や公共施設への導入が進んでいる。

 同店では小売業として初めて同日からAEDの販売を開始するとともに、店内にも設置。取り扱い開始に伴い開催されたイベントでは、同社の塚本智明常務取締役営業本部長が「日本での普及・認知率は欧米に比べとても低い。弊社は一般の方が購入できる環境を整えたいと常々考えていた。日本の小売業で初めて販売を開始できることを誇りに思う」と述べ、今後各店舗で販売・設置の体制を整えるとともに社員全員にAED講習会を実施すると意欲を見せた。

イベントには、人気医療マンガ「ブラックジャックによろしく」のキャラクターで心臓外科医の北三郎のモデルとなった、南淵(なぶち)明宏医師も参加、「心臓は躍動感のある大事な臓器だが非常に繊細。AEDを設置することで日常に潜む危険から命を救える」と話し、日本でのAED普及に積極的な姿勢を見せる場面も。

 取り扱うAEDは、日本光電工業(新宿区)の「カルジオAED-9231」(38万8,000円)とフィリップスエレクトロニクスジャパン(港区)の「ハートスタートHS1」(42万8,000円)2種類。各社のAEDインストラクターチームがマネキンを用いて使用説明を行い、来店者にAEDのアピールを行った。日本光電工業は2月に開催された東京マラソンをサポート、実際に2人の救助活動を行い、命を救ったという。

ビックカメラ

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