築地本願寺(中央区築地3)で12月15日、宗派を越えたイベント「虹を翔るお坊さん 2007東京ボーズコレクション」が開催される。築地本願寺境内にある「カフェ・ド・シンラン」(中央区築地3)で10月29日に行われた記者発表で明らかになった。
同イベントは、仏教関係者やNGOなどで結成された東京ボーズコレクション実行委員会が開催する。「宗旨宗派と僧俗を越え、ともに苦しみと悩みを越えてゆく仏教の教えを見つめる者同士が集まって行われる」(同委員会)という。一般へ向けさまざまな宗派がともに参加するイベントとしては初の試みで、仏教の根本にある「すべての人間やあらゆる生命が人知を超えた力で結ばれている=縁」という思想を広めたいと立ち上げられた「縁起プロジェクト」の第1号。仏教の教えが国境を越えて日本に伝わってきた様子が「空にかかる虹のよう」であることから「虹を翔るお坊さん」を今回のテーマに据えた。
日本を代表する8宗派から僧侶や同実行委員関係者が参加した記者発表で、「イベントに参加する心境」を聞かれると、「しっかりと法儀にのっとったものをお見せしたい」「コンビニエンストアは37,000店あると言われるが、寺は77,000とコンビニエンスストアよりも多い。大きな意味で安らぎを与えたい」「ここから何か始まる大きな1歩」などと各宗派の僧侶が回答。
現役僧侶とラッパー、ダンサーがコラボレーションし芥川龍之介著の「杜子春」をベースに法話などを披露する「プンダリーカ・ライブ」については、「仏教的な要素がある『杜子春』を広げる意味でダンスなどを取り入れた。ラップは親と子について書かれたお経の一説を現代語に訳し、理解しやすくしたもの。お経はリズム的なものが強く、ラップと近いのではということから。ふざけた内容のものではなくきちんとした形で語る」と説明を加えた。
日蓮宗の互井観章さんは「10年前はお寺に泊まる人がいたり、悩みを相談しに来たりといろんな人がお寺に出入りしていたが、最近はお寺に日常的に行くという人が少ない。苦しい世の中をどう生きるかということを2000年以上考えてきた仏教の教えを眠らせているような気がする」と話し、「人々をどうしたら幸せにできるか、という各宗派共通の教えを基にそれぞれの特色を生かしていきたい」と意気込みを見せた。
12月15日には、天台宗、真言宗、浄土宗、臨済宗、曹洞宗、日蓮宗、浄土真宗の有志僧侶が築地本願寺に一堂に会し、世界の平和を願う法要を行う「東京ボーズコレクション法要」が営まれるほか、永六輔さんらが参加する「青空法話会」、座禅や写経などを体験できる「プチ修行と仏教相談」など参加型のイベントも開催される。