銀座・和光本館(中央区銀座4)では現在、ファサードをツリーに見立て時計塔をライトアップするクリスマス企画を展開し、銀座の景観に彩りを添えている。
高さ9メートルの時計塔が銀座4丁目の交差点を見下ろすようにそびえる現在の和光本館は、和光の前身である服部時計店が1932(昭和7)年に建設し、敗戦直後の連合軍進駐時には米軍向けの売店として接収された。接収解除後の1952(昭和27)年、和光はショーウインドーのデザインを当時の気鋭デザイナーに競作させる営業再開記念企画を実施。これが話題となり、同ショーウインドーは「銀座の顔」として広く知られるようになった。
時計塔へのライトアップ企画は竣工以来初の試み。ファサード部分の装飾も1950年代のクリスマスシーズン、1964(昭和39)年の東京オリンピック以来。和光では、今年10月から日曜・祝日の営業を開始しており、同企画とともに「新しい和光」をアピールする。
時計塔には2万5,000個、建物正面の36カ所の窓には1万5,000個のライトを配置。「近代化産業遺産」にも認定される同建物が青や黄色に照らし出される様子に、銀座4丁目交差点では来街者が次々と足を止め、カメラを向ける場面が見られる。
「今後もイルミネーションを続けるかどうかは未定だが、前向きに検討したい」と和光広報部の真田伸子さん。
点灯時間は16時~24時。12月25日まで。