老舗ビアホール「ビヤホールライオン銀座七丁目店」(通称=銀座ライオン)がサッポロビール(渋谷区)と共同開発したプレミアム缶ビール「サッポロ 銀座ライオンプレミアム」が発売され、1カ月が過ぎた。
銀座ライオンは1899(明治32)年銀座にオープンした日本最古のビアホール「恵比寿ビヤホール」を前身に、1934(昭和9)年に現在の場所に移転。アールデコ風の装飾と店舗奥のモザイクタイル壁画で知られ、「銀座名所」の一つにもなっている。
同店の重厚感とビールの飲みやすさの「両立」に力を入れたという同缶ビールは、100%麦芽を原料とする味わいが「多少重くて手ごわいが、のどごしはものすごく良くて一気に飲める。最後に麦の香りがフワっと残る三段仕掛け」と、企画したサッポロビール新価値開発部の新出浩士さん。
新出さんは同社で14年間外食営業マンを担当。サッポロのグループシナジーを生かし、「業務用の資産を家庭用へ」との思いから子会社で外食産業を手がける「サッポロライオン」(中央区)に声をかけた。
缶ビールは、全国の主要コンビニエンスストアで9万5千函(1函=12.66リットル、大瓶換算)を販売。現在までに出荷は終了し、店頭での取り扱いがなくなり次第終了となる。発売時には銀座ライオンで同名の樽生ビールも提供したが、すでに完売した。
新出さんは「不景気で外食市場が落ち込んでいるといわれる。なかなか外食ができない方にも、自宅で銀座ライオンの味を味わってもらえれば」と話す。