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築地本願寺、竣工以来初の大型改修へ-親鸞聖人750回忌に向けお色直し

古代インド仏教様式を取り入れたエキゾチックな造りが特徴的な築地本願寺

古代インド仏教様式を取り入れたエキゾチックな造りが特徴的な築地本願寺

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 築地本願寺(中央区築地3)は2月より、1934(昭和9)年の竣工以来初となる大型改修に乗り出す。

間もなく全面改修に入る築地本願寺本堂

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 築地本願寺は1617年、京都・西本願寺の別院として浅草に建立。1657年の大火によって消失し、門徒が現在の地を埋め立て土地を築き、1679年に本堂を再建。これが築地の地の始まりとなった。その後も災害で何度か倒壊し、1923(大正12)年に関東大震災により本堂が消失。現在の建物は1934(昭和9)年に完成した東京大学伊東忠太博士の設計によるもの。

 今回改修に取り組むのは、円形の塔が中央に構える本堂部分。古代インド仏教様式を取り入れた本堂は、天井にシャンデリアが下がり、出入口上部にはパイプオルガンを置いた特徴的な施設。改修ではパイプ椅子が並ぶ外陣と、本尊が安置される内陣の全面に及ぶ天井、柱などの洗浄に加え、仏具や建具など動かせるものを京都へ送り漆や金箔を塗り直す。シャンデリアはLED化し、音響設備の見直しも図るという。

 2月から徐々に改修を進め、来年10月末の完了を見込む。来年の親鸞聖人750回忌「大遠忌」に向け初めて取り組む大規模改修で、翌2013年春には新しくなった本堂で大法要を執り行う予定。

改修について、同寺の吉川孝介さんは「3カ月間ほどは本堂に入れない期間も出ると思うが、パイプオルガンコンサート、仮本堂の設置など、できるだけ仏教に触れてもらう機会を設けていきたい」と話す。

 重要文化財指定を目指すという一部報道については、「別院も含めて、これから何十年かはみんなが安心して集える寺となるように改修工事を進めている。築地は築地本願寺のためにできた土地。街のためにも、国の保護を受けながらでも寺を守っていきたい」と前向きな姿勢をみせる。

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