銀座シネパトス(中央区銀座4、TEL 03-3561-4660)で2月5日、作家・渡辺淳一さん原作の映画を一挙に公開する特集上映「渡辺淳一 作家生活40年 男と女甘き悦楽の誘い」が始まる。
渡辺さんは1958(昭和33)年、札幌医科大学を卒業。医療の傍ら執筆した「光と影」で1970(昭和45)年に直木賞を受賞し、本格的に作家活動をスタートさせた。題材は医療に関する社会派ジャンル、伝記、恋愛小説と幅広く、中高年の男女の愛を題材にしたシリーズは高い人気を誇る。代表作は「失楽園」「愛の流刑地」など。
シネパトスでは現在メーンプログラムとして、「愛の伝道師」と呼ばれた「カリスマ」AV監督・代々木忠さんのドキュメンタリー「YOYOCHU SEXと代々木忠の世界」を上映している。今回の特集上映は同作公開に合わせた名画座シリーズで、レイトショーでは一人の女性をモチーフに複数の作品で愛を描いた石井隆監督特集「エロス/バイオレンス」も公開。「昼、名画座、レイトショーの3本柱で、いろいろな愛の形をテーマにした作品を一挙に紹介する」と同館支配人の鈴木伸英さん。
渡辺さん原作の作品からは、男女の不倫を描き現在までに300万部以上を売り上げたヒット作「失楽園」の映画版(2月5日~9日、同28日~3月4日)を「海外向けバージョン」で公開。R18指定で、一般公開バージョンと比べると「照明が明るい」点が特徴。ほかに1975(昭和50)年に公開され、映画ファンの間でカルト的人気を誇る「阿寒に果つ」(2月18日~22日)や、黒木瞳さんのスクリーン初主演作「化身」(同28日~3月4日)など計11作を公開。いずれも悲哀や心模様をさらけ出す男女の恋愛模様が見どころ。
鈴木さんは「渡辺作品ということで、どの映画をとっても女優陣が思い切った演技をされているのが特徴。黒木瞳さんや寺島しのぶさん、岩下志麻さんなど、女優たちの身の入った姿に注目してほしい」と話す。
入場料は一般1,300円など。3月4日まで。