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店頭で時事ネタ「つぶやき」47年-銀座の名物靴店「ミラノシューズ」閉店へ

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店頭で時事ネタ「つぶやき」47年-銀座の名物靴店「ミラノシューズ」閉店へ

創業以来「ミラノシューズ」を切り盛りする(画面左から)松本邦夫さん、窪田秀雄さん、窪田邦男さんの3人

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 連日店頭に飾った時事ニュースと一言コメントが話題を集めた銀座の名物靴店「ミラノシューズ」(中央区銀座4、TEL 03-3567-9080)が3月末、創業47年の歴史に幕を閉じる。

邦男さん直筆の今日のニュースコメント

 社長は1930(昭和5)年生まれの窪田秀雄さん。秀雄さんの弟で1934(昭和9)年生まれの窪田邦男さん、1943(昭和18)年生まれの松本邦夫さんとともに店を切り盛りする。

 秀雄さんは1951(昭和26)年ごろから銀座三越裏手の王子製紙の壁際で靴磨きを始めた。以来10年間靴磨きを続け、客が列を作るほど人気を集める「靴磨き名人」として知られるようになった。当時学生だった松本さんは「三越で働いていた友人を待つ間の時間つぶし」(松本さん)という気持ちで、秀雄さんの隣で「(秀雄さんの)靴磨きを待っていた人」を相手に靴を磨いた。これがきっかけで2人は知り合いになり、邦男さんも含めた3人で、松屋銀座裏手に1964(昭和39)年2階建ての店を構え、紳士靴・婦人靴の販売と修理を手がける靴店「ミラノシューズ」を創業した。

 店頭での時事ニュースの掲出は邦男さんのアイデア。創業当時「あまり靴が売れなかった」ことから、「店の話題作りになれば」と店の前にあった変電盤に時事ニュースと邦男さんのコメントを書き込んだ紙を毎日掲出した。「最初は黙って勝手にやっていたが、1カ月ほどで『あれは誰がやっているんですか?』と店頭で尋ねられるようになった」(邦男さん)

 地上げにより、店舗を現在の和光裏手に移転したのは1974(昭和49)年。移転後も邦男さんは、割引商品などを並べる店頭棚上部に両面2種のニュースを毎日用意した。話題は前日の夕刊、テレビ、出勤後の朝刊などから探し出し、「お客さんに関心があるな」と思えるものを紹介。週末や大型連休などには、「それにふさわしい内容を選んだ」という。

 コメントは「一番きれいに見える『16文字』に合わせた」と邦男さん。1行目で問題提起し、2行目の自分の感想は「グッド!」など感情面を強調した。「前の道が一方通行なので、左手から歩いてきた人が店を通り過ぎ、右手のニュースも見たい、と振り返ったら『ラッキー』という気持ち」

 病気で1カ月入院したこともあったが「40枚くらい書いておいて、秀雄さんらに張り替えてもらった」ことも。そのため「ほんとに入院していたの?」とお客さんからからかわれたと笑う。現在ではニュースコメントに加え、店頭に笑顔で立つ元気な邦男さんの姿も通りの「名物」に。「とにかく歩く人、誰にでもあいさつを続けた。最初はけげんな顔をしていた通行人も、しばらくするとだんだん頭くらいは下げようという気になるもの。ニュースもあいさつも『習慣』。それでいろんなマスコミの方に取り上げてもらって、お金のかからない宣伝になった」

 閉店の理由は「3人の体調不良が重なった」ことから。邦男さんは「後継者がいないので、閉店は自然の流れ」と話し、店先には「店をやりたい人はお申し出ください」との貼り紙も。現在は閉店に向けた割引セールを行っている。「だんだん商品が減ってきている。おそらく20日ぐらいで閉めて、残務整理に入るつもり」と邦男さん。「これからも週ごとに割引率を上げていく。サイズがなくなる前に早く来ていただければ」と来店を呼びかける。

 営業時間は10時~20時。

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