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写真家・大森克己さんが撮影した「今年の桜」、銀座で写真展-福島の桜も

「2011年の春を思い出して桜を見に来てもらいたい」(大森克己さん)

「2011年の春を思い出して桜を見に来てもらいたい」(大森克己さん)

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 写真家・大森克己さんが自宅周辺や福島で撮影した今年の桜を紹介する「すべては初めて起こる」が現在、「ポーラ ミュージアム アネックス」(中央区銀座1、TEL 03-3563-5501)で開催されている。

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 1963(昭和38)年神戸市生まれの大森さんは、1988(昭和63)年よりフリーランスとして活動を開始。1994年に仏ロックバンド「MANO NEGRA」のラテンアメリカツアーに同行した「Good Trips,Bad Trips」がキヤノン写真新世紀展ロバート・フランク賞、飯沢耕太郎賞をダブル受賞。「BRUTUS」「Switch」などの雑誌やCDのカバーなどでも知られ、今年はアムステルダム、ロンドンでも写真展を開くなど国内外で活躍する。

 桜は大森さんが10年以上前から撮り続けているモチーフの一つで、「Cherryblossoms」(リトルモア)、「encounter」(マッチアンドカンパニー)などの写真集にも収録される。東北地方太平洋沖地震翌日の福島第一原発事故を受け、大森さんは「原発事故は『見えない災害』。今年は、福島に写真を撮りに行かなければ」と直感したという。毎年撮ってきた「桜」にフォーカスし、福島県南相馬市、飯舘村、広野町、いわき市、福島市の桜を見て回った。

 自宅が浦安にあり、震災では断水などの被害も受けた。会場には千葉県浦安市、東京都新宿区、渋谷区などで捉えた今年の桜も並ぶ。「影響は福島に限ったことではなく、自分の身の回りとも地続き。自分が今どういう状況に置かれているのかを確かめる意味もあった」(大森さん)。

 さまざまな街の風景にピンクに色づいた桜がたたずむ作品群には、いずれもピンク色のハレーションが写り込む。正体は「ピンク色の半透明の球体おもちゃ」で、レンズの前に垂らして撮影。「ピンクの光の意味は大森さんが定義しているものではない。関西に住む人、都内に住む人、被災地に住む人それぞれの思いで、何かを感じてもらえれば」(ポーラ・オルビスホールディングス広報・IR室の菊池さん)。会場では今年の桜17点に加え、昨年以前に撮影した桜の写真7点も展示している。

 1月14日には、大森さんが作品を解説するイベントも開く(14時~、入場無料、要予約)。

 開催時間は11時~20時。入場無料。1月29日まで。12月30日~来年1月3日は休館。

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