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東銀座で「歌舞伎体操」-役者・中村橋吾さんが「箱割り」「すり足」指導

重心を意識しながらそろって「箱割り」

重心を意識しながらそろって「箱割り」

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 歌舞伎俳優・中村橋吾さんが講師を務める「歌舞伎体操」の体験教室が12月23日、築地社会教育会館(中央区築地4)で開かれた。

「立ち方」を指導する中村橋吾さん

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 中村さんは1979(昭和54)年、山形県生まれ。高校を卒業と同時に上京し、「国立劇場第15期歌舞伎俳優研修」を修了。中村橋之助一門に入門し、20歳でプロ入りした。歌舞伎座をはじめ、平成中村座の海外公演、コクーン歌舞伎など、さまざまな歌舞伎舞台で活躍する。

 「箱割り」「すり足」「見得(みえ)」など歌舞伎独特の動きを取り入れた「歌舞伎体操」を一般向けに指導する活動は2008年から実施。きっかけは、医学博士の湯浅景元さんが監修した書籍「なりきり歌舞伎体操」(2008年、ポプラ社)でモデル・編集協力を務めたこと。読者からの要望を受けて実施した体験教室が好評だったため、「歌舞伎に別の角度から触れるきっかけになれば」との思いで継続。稽古や舞台の合間を縫って、これまでに開催した教室は約50回を数え、延べ1000人が参加したという。

 教室では「美しい立ち方」を基本に、両足を左右に広げた「箱割り」、腰を落として進む「すり足」、片足を上げて下ろす「踏み出し」などを指導する。いずれも歌舞伎独特の動きで、動作自体は「激しくない」が終わると体が温まる。「体の軸」を意識しながら毎日続けることで、「バランス感覚」「筋力」が鍛えられるという。

 同日は「常連」から「初参加」まで約20人が参加した。会社の友人同士で参加した女性は、「友人に歌舞伎が好きな人がいて知った。仕事は営業で『人に見られる』職業。教えてもらった立ち方を大切にていきたい」と話す。普段は歌を歌っているという女性も初参加で、「姿勢には興味があっていろいろと体験してきたが、外国のメソッドが多く日本の動きは初めて」。「常連」の女性は「橋吾さんのファン」で、「体操をきっかけに、日常生活の中で姿勢に気をつかうようになった」とも。

 「教室を始めてから人の癖なども分かり、自分の体の使い方の勉強にもなっている」と橋吾さん。「歌舞伎の世界では動きは『見て学ぶ』もの。プロになってから10年かけて培ったものを伝えているので、大きな財産にしてもらえると思う。和の動きを日常生活でも取り入れてもらいたいし、歌舞伎の魅力も一緒に伝わっていけば」

 開催時期は不定期で、オフィシャルサイトで確認できる。

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