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舞踏家ピナ・バウシュさん×ヴェンダース監督の世界初3Dアート映画、有楽町で公開

© 2010 NEUE ROAD MOVIES GMBH, EUROWIDE FILM PRODUCTION

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 ヒューマントラストシネマ有楽町(千代田区有楽町2、TEL 03-6259-8608)で2月25日、舞踏家ピナ・バウシュさんが率いた舞踏団の身体表現をヴィム・ヴェンダース監督が捉えた世界初の3Dアート映画「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」(配給=ギャガ)の上映が始まった。

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 バウシュさんは1940年にドイツに生まれ、1973年にヴッパタールでバレエ団の芸術監督に抜てきされた。演劇とダンスを融合させた「タンツテアター」の生みの親として、独自のジャンルを開拓。ダンサーは技術力に加えて自分の内面を最大限にアピールすることが求められ、劇中では話したり、歌ったり、泣き叫んだり、笑い転げたりすることも。ヴッパタール舞踏団には現在、約20カ国のダンサーが所属。独自の表現スタイルが舞台とバレエの両ジャンルに大きな影響を与えている。

 1945年ドイツ生まれのヴェンダース監督は、大学在学中から映画製作を開始。1984年にはロードムービー「パリ、テキサス」を製作し、カンヌ国際映画祭パルムドール、英アカデミー賞最優秀監督賞を受賞。「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」など、ミュージシャンを追ったドキュメンタリーでも知られる。

 バウシュさんとの映画計画は1985年に構想がスタートし、3D映画が一般公開され始めたことを背景に、「ピナの舞台を映画化するには3Dしかない」との思いで現実化。2009年始めには撮影準備を進めていたが、リハーサル撮影を2日後に控えた同年6月30日に、バウシュさんが急逝し中断。一時映画化を断念するも、同年10月に撮影を開始したという。

 撮影では、「カフェ・ミュラー」「春の祭典」「フルムーン」の3公演をオペラハウスでノーカット収録。クレーンを使って3Dで撮影することで舞台の臨場感を伝える。モノレール、工場、森、庭園などの屋外でも、ダンサーのパフォーマンスを撮影。作中ではこれらのダンスシーンにバウシュさんの記録映像、ダンサーたちのバウシュさんへのメッセージなども盛り込む。上映時間は104分。

 公開初日となった2月25日、同劇場では一部の回が満席に。配給元のギャガ・マーケティング部の中道景子さんによると客層は「男女半々」で、「パンフレットも好評な売れ行き」だという。「ピナファン、ヴェンダースファンとも平日でもお越しになりやすい客層の方が多そう。今後も期待していきたい」

 全国順次公開。

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