銀座のギャラリー「ヴァニラ画廊」(中央区銀座6、TEL 03-5568-1233)で4月2日、空想科学イラスト、プラモデルの箱絵などを描いて昭和期の少年たちに夢を与え続けた小松崎茂さんの原画展「宇宙船地球号」が始まった。
小松崎さんは1915(大正4)年東京生まれ。日本画家の堀田秀叢、挿絵画家の小林秀恒に師事し、1938(昭和13)年に挿絵画家としてデビュー。未来兵器の想像画を手掛けて注目を集め、戦後は子ども向け絵物語の人気作家としてSFアクション「地球SOS」、西部劇「大平原児」などの作品を生み出した。
1961(昭和36)年ごろからプラモデル・パッケージのボックスアートにも進出。タミヤの戦車や、今井科学の「サンダーバード」シリーズなど数多くの箱絵を手掛け、煙やオイルの臭いさえ漂うような迫力あふれる作風で人気を集めた。2001年12月没。
展示は小松崎さんに師事したイラストレーターで、小松崎作品を中心に昭和期の挿絵画家たちの作品を展示する「昭和ロマン館」館長・根本圭助さんの協力を得て実現。会場ではイラスト集「SFメカニックファンタジー」に掲載されたSF原画27点を中心に、根本さんも所属する「根本アートセンター」による5点も紹介。ジオラマ展示や、ポストカードセット、ポスター、画集の販売も行う。「メカニックファンタジーに掲載されている作品を中心に、見応え抜群の濃密な作品が並んでいる」(ヴァニラ画廊担当者)。
開催時間は12時~19時(土曜・日曜は17時まで)。入場料500円。今月14日まで。