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銀座で杉本博司さん「五輪塔」展-遺骨に替わって「海景」フィルム収納

杉本博司さんが光学ガラスを使って整形した五輪塔。球形部には「海景」フィルムを納めている

杉本博司さんが光学ガラスを使って整形した五輪塔。球形部には「海景」フィルムを納めている

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 銀座の現代美術ギャラリー「ギャラリー小柳」(中央区銀座1、TEL 03-3561-1896)で4月3日、杉本博司さんが手掛ける「五輪塔(ごりんとう)」を並べる個展「Hiroshi Sugimoto: Five Elements」が始まった。

 東京生まれの杉本さんは、小学3年生のときに写真活動をスタート。自宅に暗室を作るなどした少年時代を経て、立教大学卒業後に渡米し米ロサンゼルスのアートセンターで本格的に写真を学んだ。1974(昭和49)年からニューヨークに在住し、1980年代初めにアメリカデビュー。現在では彫刻、建築、舞台演出など幅広い活動を展開する現代美術家として知られ、メトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館など多くの美術館に作品が収蔵される。

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 原美術館(品川区)での個展「杉本博司 ハダカから被服へ」、シアターイメージフォーラム(渋谷区)で公開されるドキュメンタリー「はじまりの記憶 杉本博司」と連動して開催する同展。会場では仏教経典で世界の構成要素とされる地・水・火・風・空を指す「五大」をテーマに、杉本さんが手掛けた「五輪塔」8点などを展示販売する。

 五輪塔とは方形で地を、球形で水を、三角形で火を、半円形で風を、宝珠形で空を表す造形デザインが特徴の墓石の一種。舎利(遺骨)容器として使われた形を墓石に置き換えて、平安期に日本で独自に発展、鎌倉期にかけて人気を集めたという。

 杉本さんは五輪塔を光学ガラスで成形し、遺骨の代わりに自作の「海景」フィルムを内部に収納した。「海景」は杉本さんが1980年代から手掛ける写真シリーズで、さまざまな海を水平線を中央に配置する構図で撮影。「神も仏も去ってしまった現代に取り残された私にとって、(帰依すべき)対象が辛うじてあるとすれば、それは私の意識の源である、あの海景なのだ」(杉本さん)。

 会場ではスペース中央に五輪塔8点を並べ、壁面には北アメリカ・5大湖の一つ「スペリオル湖」を捉えた作品11点を展示。入り口には杉本さんが表具をあしらった平安時代の装飾経も飾り、独自の世界観を紹介している。

 開催時間は11時~19時。日曜・月曜・祝日定休。6月23日まで。

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