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デザイナー佐藤卓さん、銀座で「ロボット」展-自然光で「ゆっくり」作動

3階では窓から差し込む薄明かりを光源に、小型ロボットがゆっくりと手足を動かす

3階では窓から差し込む薄明かりを光源に、小型ロボットがゆっくりと手足を動かす

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 太陽光や電気を動源に、「ひたすらゆっくり歩く」人型ロボットを並べるグラフィックデザイナー佐藤卓さんの個展「光で歩く人」が4月23日より、ギャラリー「巷房(こうぼう)」(中央区銀座1、TEL 03-3567-8727)で開催されている。

地下ギャラリーでは、鳥かごの中で歩き続けるロボットの姿も

 会場は奥野ビル3階「巷房・1」と地下1階「巷房・2」。3階では会場内の照明を切り、窓から差し込む薄明かりを光源に「歩く人」5体、地下1階ではスポットライトを光源に「歩く人」2体を展示。いずれもソーラーパネルで発電し、全長10センチほどの乳白色の小型ロボットがケースの中でゆっくりと手足を作動。3階では太陽が沈むと会場は暗くなり、ロボットの動きも静止する。

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 ロボットは数年前、「おもちゃとアートの中間に当たる商品」としてタカラトミーアーツと共同開発したもの。「デリケートな作りのため、大量生産が難しかった」ことから企画は頓挫していたが、昨年の震災を受けて「(ロボットが)わずかなエネルギーで歩き続ける姿が、原発事故で私たちが直面している状況を連想させた」と佐藤さん。「今こそ、作品として世の中に発表したい」との思いで、今回の展示に至ったという。

 ロボットが立っている台も特徴の一つ。3階では約5000年~6000年前の火山噴火によって新潟の地中に埋まっていたという「埋もれ木」を、地下1階では大きな石をそれぞれ台に使うことで、「人工物」であるロボットと自然物を対比。地下1階・階段下のスペースでは、ロボットは鳥かごの中を歩く。

 「あらゆる物事に対し、それが本当に必要なのか、なぜ必要なのか、本質を考えざるを得ない時代になった」と佐藤さん。「エネルギー問題は全ての人と関係あること。作品をどのように感じるかは見ていただいた方に委ねつつ、あらゆる方に見ていただきたい」と話す。

 佐藤さんは1979(昭和54)年に東京藝術大学デザイン科を卒業。電通を経て1984年に佐藤卓デザイン事務所(銀座3)を設立。「明治おいしい牛乳」などの商品デザイン、「金沢21世紀美術館」のシンボルマークなどを手掛け、NHK「デザインあ」の総合指導など幅広い分野で活躍。

 開催時間は12時~19時(最終日は17時まで)。入場無料。5月5日まで。

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