「ポーラ ミュージアム アネックス」(中央区銀座1、TEL 03-3563-5501)で4月27日、気鋭プロダクトデザイナー岡本光市さんの初個展「switch -岡本光市 遊びのデザイン-」が始まった。
岡本さんは1970(昭和45)年静岡県生まれ。1997年にオランダのテクノレーベルからbekkou名義で音源をリリースし、以降オランダやイギリスのレーベルを通じて音楽活動を展開。活動を通してダッチデザインに魅了されたといい、2004年にプロダクトデザインの作品を発表した。2006年に「共栄デザイン」を設立。
代表作は、12個の工業用クリップライトを溶接して24金メッキを施したシャンデリアや、アルミニウム線を手作業で加工して半年かけて組み上げた椅子、タンクを取り付けたワイングラスで、グラス内のワインが減ると水圧と大気圧のバランスに寄ってタンクのワインが自動的に送り込まれる仕組みの作品など。素材を生かしながら独自の機能性を発揮させる作風が特徴で、製品は現在30カ国以上のデザインブランド、ショップ、美術館などで扱われる。
同展ではこれらの代表作に加え、「switch」をテーマに新たに手掛けた2点も紹介する。「musical table」と題した作品は、テーブルとオルゴールをつなげたもの。オルゴールはテーブルを取り囲むように500個を敷き詰め、電気制御によって来場者の動きに反応してランダムに音を奏でる。
「これまで工業製品を作り替えた作品が多かった。今回の新作は特別な思い入れのある『音』と『光』をテーマに、『スイッチ』をコンセプトにして作った。スイッチには『オン』『オフ』の切り替え装置など、さまざまな意味を込めている」と岡本さん。ポーラ・オルビスホールディングス広報・IR室の菊池さんは「岡本さんのプロダクトデザインは、日常にあるものに一工夫加えたクリエーティブな作品が多い。こんなものがこんな風に使われているんだという発見を楽しんでもらえれば」と話す。
開催時間は11時~20時。入場無料。6月3日まで。