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築地場外で震災復興支援市「緑のマルシェ」最後の開催-ターレー試乗会も

今年3月末に開催した「緑のマルシェ」会場風景

今年3月末に開催した「緑のマルシェ」会場風景

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 築地場外で毎週土曜に開かれていた震災復興支援市「緑のマルシェ」が5月26日、35回目となる最後の市を開く。茨城、栃木、福島、山形、宮城、岩手、秋田から、過去の出店者16組が軒を連ねる。

築地本願寺境内に出店する「富士宮やきそば」

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 築地本願寺とNPO食のまちづくり協議会が昨年6月より、東日本大震災の復興支援を目的にしたプロジェクト「築地スマイル広場」を展開。緑のマルシェはこの活動の一環として7月から開いてきたもので、築地場外小田原橋前特設イベント会場を東日本の生産者、販売者に無償提供。同寺境内での販売も含めて、現在までに52店舗が出店し、総売り上げは1,300万円以上に上っている。

 特設会場は、築地場外市場の整備工事で活用する土地として、震災前から空きスペースとなっていた。昨年3月の震災を経て「築地ならではのやり方で、被災地支援に役立てたい」との思いでイベント会場へと転用。同所を機材や重機置き場に活用する整備工事が今年6月から始まるのに伴い、活用を終える。

 最後の市開催に向けて、これまで築地で活動した被災地の生産者、販売者をあらためて招待。会場にはサケほぐし、塩蔵ワカメなど水産加工品を扱う宮城県「八葉水産」、ガイガーカウンターを自前で購入し、風評被害の払拭(ふっしょく)に務める福島県「福島県石川町産業支援対策会議」、町の8割が津波で流されたという宮城県女川町から三陸産物を扱う「おながわや」、いわきの復興を願う12人が郷土料理を届ける「いわきの12人」プロジェクト、三陸の新物ワカメなど水産加工物を扱う岩手県「結いさんりく」など16組が市を開く。

 合わせて本願寺境内では静岡県「富士宮やきそば」、神奈川県「厚木シロコロホルモン」「湘南しらす丼」、沖縄県「タコライス」、長崎県「角煮バーガー」、大阪府「いか焼き」などのご当地グルメを提供。特設ステージでは築地小学校ブラスバンド部の演奏や、いわき地方の伝統芸能「じゃんがら念仏踊り」、フラダンスショー、独自の世界観を伝える「現代の虚無像 き乃はち」の尺八演奏など、幅広いライブパフォーマンスを展開する。通常は荷役用に利用する運搬車で、円筒形の動力部が特徴の「ターレットトラック(通称=ターレー)」の乗車体験も予定。生産者、販売者以外の店舗での売り上げの一部は、今後「築地スマイル広場」としての復興支援活動に充てる。

 食のまちづくり協議会マルシェ担当の山崎徳子(よしこ)さんは「昨年の7月に始めたころは出店者もお客さんも集めるのが大変だったが、回を重ねるごとに認知が広がり、毎週足を運んでくれる地元の人たちも出てきた。商売人が多く、プロが仕入れに来る街なので、箱買いされるお客さんがいたり、出店をきっかけに注文販売の取引が始まったりということもあった」と、これまでの活動を振り返る。「時間の経過と共に被災地の姿も変わっていく。この会場での緑のマルシェはなくなるが、『新しいステージ』への第一歩として引き続き支援活動を続けていきたい」とも。

 開催時間は9時~15時。

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