ホンダ「負けるもんか」のポスター、CMがグランプリを受賞した「2012ADC(東京アートディレクターズクラブ)賞」の受賞作・優秀作が現在、「ggg(ギンザ・グラフィック・ギャラリー)」(中央区銀座7、TEL 03-3571-5206)と「クリエイションギャラリーG8」(銀座8、TEL 03-6835-2260)」で展示されている。
会員作品を並べる「ggg」1階会場風景(撮影=藤塚光政さん)
1952(昭和27)年創立で、日本を代表するアートディレクター77人で構成するADC。会員全員で選出するADC賞は、その年の日本の広告・グラフィック作品の最高峰として知られる。今回は、昨年5月から今年4月までの1年間に発表されたポスター、新聞・雑誌広告、エディトリアルデザイン、パッケージ、CI・マーク&ロゴ、テレビ コマーシャルなどから約8500点が応募。4日間の審査を経て、7月4日に受賞作品、優秀作品が発表された。
大賞を受賞したのは、ホンダ「負けるもんか」のポスター、CM。CMは直線上に並んだ同社歴代の名車をワンカットで捉え、「昨日までのHondaを超えろ」とナレーションを重ねたシンプルな作品。アートディレクター(以下、AD)は河合雄流さん、演出は牧鉄馬さん、コピーライター(以下、C)は藤本宗将さん、撮影は内田将二さんによる。
一般部門を紹介するG8では同作のほか、小松洋一さんがADを、井口弘一さんが演出を手掛けたソニー「3Dブラビア Perfect World」のCM、八木秀人さんがADとイラストを手掛けたステッドラー日本「企業広告」のポスター、ブック&エディトリアル、CM、新村則人さんがADを、マイケル・フェザーさんが撮影を手掛けた良品計画「無印良品キャンプ場」のポスター、グラフィックデザインなどが並ぶ。
gggでは、ADC会員による優秀作、受賞作を紹介。会員賞を受賞したのは、佐々木宏さんがCDを務め、ビートたけしさんが豊臣秀吉を、木村拓哉さんが織田信長を演じて話題となったトヨタ自動車「ReBORN」のCM、佐藤卓さんがADを務めた国立科学博物館「縄文人展」のポスター、ブック&エディトリアル、澁谷克彦さんがADとなった資生堂「澁谷克彦グラフィックデザイン展」のポスター、環境空間の3プロジェクト。
2会場を合わせた作品点数は100点前後。ggg展覧会担当の柳本英紀さんは「『負けるもんか』は、企業広告でありながら、大震災以後の時代にも呼応するかのような力強い作品。2つの会場を巡って、日本のアートディレクションの最前線の力を感じてもらえれば」と話す。
開催時間は11時~19時(gggは土曜18時まで)。日曜・祝日定休。入場無料。7月28日まで。