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有楽町駅前の靴磨き集団「千葉スペシャル」、常連呼び掛け交通会館で「復活」

右から、UA重松会長、乃村工芸社渡辺社長、新生「千葉スペシャル」(千葉さん、大村さん、長谷部さん)、東京交通会館中川社長

右から、UA重松会長、乃村工芸社渡辺社長、新生「千葉スペシャル」(千葉さん、大村さん、長谷部さん)、東京交通会館中川社長

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 有楽町駅前の名物靴磨き集団「千葉スペシャル」が9月20日、東京交通会館(千代田区有楽町2)1階の広場で営業再開を果たした。

ユニホームはユナイテッド・アローズがプロデュース

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 率いるのは、工場勤務などを経て15年程前から靴磨きを始めた千葉尊(みこと)さん(56)。再開発以前から有楽町駅前を拠点に活動を続け、その技術の高さが評判になった千葉さん。これまでに旅立った「弟子」は5~6人に上り、近年は山形から靴磨きに上京する長谷部さん(62)と、「靴が好き」と発心した大村さん(39)とともに靴磨きを続けてきた。常連客は「5~6千人」で、企業経営者などの顧客も数多い。

 行政指導が「厳しく」なり、駅前での営業を断念したのは今年4月のこと。常連客の間では「どこに行ったのか」と騒ぎになったといい、千葉さんの自宅兼事務所には各所から「磨いてほしい靴」が郵送されてくるようになった。併せて、千葉さんらが「かねてから出店を望んでいた」という東京交通会館に常連客が出店を「打診」。「千葉スペシャルは有楽町の文化。街の人たちに喜んでもらえるのなら」(交通会館営業部担当者)と今回の出店が実現した。

 場所はキッチンカー「ドクターズカフェ」やマルシェが展開する交通会館1階テラス。店名は「千葉スペシャル」で、看板を掲げて椅子を並べた約2坪が3人の新拠点となる。

 ハンチング帽に水玉の蝶ネクタイ姿の新ユニホームはユナイテッド・アローズ(以下UA)が、アンティークな顧客用椅子など什器備品は乃村工藝社がプロデュースした。UA重松会長、乃村工藝社・渡辺社長が常連だったことが縁で、「復活」への協力に名乗りを上げたという。

 指先に布を巻き付けて、革の間に擦りこむように靴を磨く3人。隣には千葉さんが10年前から開発を続けてきた独自の靴クリームも並ぶ。靴磨きは1回1,000円。千葉さんの親せきで、3人を経営面でサポートする皆川隆さんは新生「千葉スペシャル」について、「有楽町に店を持つことは尊さんのかねてからの希望。かなえられて感無量」と話す。「靴磨きは高齢者でもできる仕事。これまで続けてこられた恩返しという意味でも、技術を持った靴磨き職人を育てていき、靴磨きを文化として浸透させていきたい」とも。

 営業時間は9時~19時。日曜・祝日定休。

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